現在のインターネットにおいても見られるように、光通信分野では、通信容量の更なる増大かつ通信速度の高速化の研究開発が進められていますが、一方で携帯電話に代表されるような無線通信における高速化・大容量化も切望されています。また、無線技術は通信に限らず、センシング・イメージング分野などでも利用されており、システムまで見通した基盤技術の研究開発は、より便利な生活スタイルの実現にとって重要なものとなっています。
そこで超高周波ICT研究室では、将来の超高速大容量通信や工業・農業・医療分野など様々な分野で利用可能な無線技術を目的として、未開拓電磁波領域と呼ばれるテラヘルツ・ミリ波領域における超高速信号計測技術や、それを支える超高周波基盤技術に関する研究開発を進めています。
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研究概要
1.超高速先端デバイス作製技術
■超高速デバイスのための半導体結晶成長の研究
- 窒化ガリウム(GaN)RF-MBE成長
- 窒化インジウム(InN)RF-MBE成長
- 触媒化学気相堆積法(Cat-CVD)
- テラヘルツ帯(THz)検出器・発振器構造のMBE成長及びプロセス技術(MBE: Molecular Beam Epitaxy, 分子線エピタキシー技術)
- スパッタによるシリコンゲルマニウム(SiGe)ヘテロ構造の作製
2.超高速先端デバイス評価技術
■極限動作トランジスタの研究
■THz帯材料・デバイス評価技術
- THz時間領域分光技術(Time-Domain Spectroscopy: TDS)
- 遠赤外フーリエ変換分光(Fourier-Transformed Infrared Spectrometer:FTIR)
- 超短光パルスを用いたTHz帯デバイスの評価
3.高周波回路部品および集積回路技術
■ミリ波帯増幅器回路の研究
- 低雑音増幅器MMIC化の研究
- 高出力増幅器の研究
■アンテナおよび高周波回路部品技術
- 超高帯域フィルター技術
- 超高帯域信号源の研究
4.THz波発生・検出技術
■THz帯周波数コム発生
■THz電磁波波長変換技術
- 非線形光学結晶による広帯域THz波長変換
- 超高速光伝導素子を用いたTHz波発生・検出