国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ナショナルサイバートレーニングセンターは、2025年度の実践的サイバー防御演習「CYDER」*1の年間開催日程を発表しました。本日から、集合演習Aコース(7〜9月開催分)の申込受付を開始しました。お申込みは、CYDERのWebサイト(https://cyder.nict.go.jp/)にて受け付けています*2。
*1 CYDER(サイダー): CYber Defense Exercise with Recurrence(サイバー防御反復演習)
*2 今回のご案内は、CYDERをスムーズに受講いただけるように、年間開催日程の予定をお知らせするものです。状況によっては、今後、内容に変更が生じる可能性があります。最新情報はCYDERのWebサイトをご確認ください。
1 CYDERについて
2 2025年度 CYDERコース概要
ご自身の受講目的やスキル等に合わせてコースをお選びいただくことが可能です。
1)集合演習
会場で実施する「集合演習」の各コースでは、最大4人でチームとなり、組織のネットワーク環境を模した仮想環境で擬似的に発生させたサイバー攻撃に対し、インシデント対応手順を実践します。マルウェア感染や情報漏えい等のインシデント対応において求められる分析・判断・報告等に必要なスキルが身に付きます。
コース名 (レベル) |
受講対象者*3 | 身に付くスキル |
---|---|---|
Aコース (初級) |
・情報システム担当の経験2年以内相当の知識をお持ちの方 ・CSIRT*4において関係部署や他組織との連絡調整、分析や対応方針検討等のインシデント対応作業を補助する役割を担う方 |
・インシデント発生時の対応の流れを理解できる ・ベンダーからの報告書を読み解き、ベンダーとの円滑な情報連携ができる ・事前の備えとして何をすればよいかを理解できる |
Bコース (中級) |
・情報システム担当の経験2年以上相当の知識をお持ちの方 ・Aコースを受講済みの方 ・CSIRTにおいて関係部署や他組織との連絡調整、分析や対応方針検討等のインシデント対応作業を担う方 |
・CSIRTの他のメンバー、上司、ベンダー等と適切に情報共有し、インシデント発生時に自ら進んで対応ができる ・パソコン、サーバー、ネットワーク機器等のログを監査できる、若しくは監査作業の内容を把握できる ・自組織のセキュリティポリシーを見直すことができる |
Cコース (準上級) |
・情報システム担当として3〜4年以上の経験を有し、実務レベルでのインシデント対応を強化したい方 ・Bコースを修了し、より高度な分析・判断スキルを習得したい方 ・インシデント発生時の分析・対処・予防策を深く理解し、組織のセキュリティ強化に貢献したい方 ・ grep*5などのコマンドを活用したログ解析の経験があり、実践的なインシデント分析力を強化したい方 |
・攻撃者の手法を理解し、ログ解析やネットワークトラフィック分析を通じて、既知・未知の攻撃を識別し、早期検知のための分析フローを確立する「高度なインシデント分析スキル」 ・インシデント対応時に収集した情報を適切に解釈し、自組織のセキュリティポリシーに基づいて、迅速かつ的確な判断を下し、適切な対策の検討・導入・運用ができる「対応力」 ・CSIRTメンバーや関係者と円滑に連携し、適切な指示・報告・調整を行う「協調力」 |
*3 上記は、コースを検討いただく際の目安であり、いずれかを満たしていると演習をスムーズに受講いただくことができます。
*4 「Computer Security Incident Response Team」の略。情報セキュリティに関わるインシデントに対処する組織のこと。
*5 特定の文字を含む行を抽出するコマンドのこと。
2)オンライン演習 「プレCYDER」
「プレCYDER」は、個人向け独習型の演習内容で、マルウェア感染や情報漏えい等のインシデント対応において前提となる知識やトレンド等が学べます。スキマ時間の動画視聴でセキュリティの基礎知識を身に付けることができるため、これまで業務や地理的な都合により集合演習への参加が難しかった方や、セキュリティの基礎の基礎からじっくり学びたい方に最適です。また、CSIRT部門全員が受講する基礎研修として利用することも可能です。
さらに、2025年11月には、自信を持って集合演習を受けるための準備ができるプレCYDER(3期: ドリル)も提供予定です。一つの事件や事故をじっくり掘り下げるこれまでのケーススタディ形式とは異なるドリル形式で、可能な限り多くのミニケーススタディを体験できるような内容を予定しており、Aコースを受講したいけれども自信がない方、ケーススタディの総復習+更なる知見の獲得を目指す方にお勧めです。
コース名 | 受講対象者 | 身に付くスキル | |
---|---|---|---|
プ レ C Y D E R |
1期・2期 ケーススタディ |
・CSIRT / 情報システム課に配属されたばかりの方 ・IT / DX推進リーダー、個人情報を取り扱う方、一般職員 ・組織の幹部層、経営層の方 |
・CSIRT担当者として知っておきたい基礎的な事項を短時間で習得できる ・基礎的なセキュリティ用語や、ベンダーの報告書内の用語を理解できる ・インシデント対応への組織的な備えの重要性を理解できる |
3期 ドリル |
・プレCYDER(1期・2期)を受講済みの方 ・ インシデント対応の流れや基本を押さえたい方 ・ Aコース受講の準備をしたい方 |
・ セキュリティやインシデントハンドリングの基礎知識を身に付けることができる ・インシデント発生時の対応の流れを理解できる |
3 2025年度 CYDER開催概要
本日から、集合演習Aコース(7〜9月開催分)の申込受付を開始しました。お申込みは、CYDERのWebサイト(https://cyder.nict.go.jp/)にて受け付けています。また、その他のコースの申込受付開始時期等の最新情報も、同じWebサイトにて随時お知らせします。
1)対象
国の機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者等の情報システム担当者、セキュリティ管理者、CSIRT担当者等
国の機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者等の情報システム担当者、セキュリティ管理者、CSIRT担当者等
2)開催時期等
■ 集合演習
全国47都道府県において合計100回程度開催予定です(詳細日程は別紙参照)。
全国47都道府県において合計100回程度開催予定です(詳細日程は別紙参照)。
コース名 | レベル | 主な対象組織 | 期間 | 開催時期 | 回数 | 開催エリア | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
事前学習 | 演習 | ||||||
Aコース | 初級 | 全ての組織 | 2~5時間 程度 |
1日間 | 7〜1月 | 72回 | 全国47都道府県 |
B-1コース | 中級 | 地方公共団体 | 10~1月 | 10回 | 全国8地域 | ||
B-2コース | 国の機関、重要社会基盤事業者等 | 1月 | 13回 | 東京・名古屋・大阪 | |||
Cコース | 準上級 | 全ての組織 | 2日間 | 11~1月 | 5回 | 東京・大阪 |
■オンライン演習
プレCYDER(1期: ケーススタディ)は、「たったひとつの冴えないパスワード編」を5月20日(火)〜8月5日(火)に、プレCYDER(2期: ケーススタディ)は、新コンテンツ(開発中)を9〜11月に、プレCYDER(3期: ドリル)は、新コンテンツ(開発中)を11〜1月に開講予定です。
プレCYDER(1期: ケーススタディ)は、「たったひとつの冴えないパスワード編」を5月20日(火)〜8月5日(火)に、プレCYDER(2期: ケーススタディ)は、新コンテンツ(開発中)を9〜11月に、プレCYDER(3期: ドリル)は、新コンテンツ(開発中)を11〜1月に開講予定です。
コース名 | 主な対象組織 | 期間 | 開催時期 | 開催エリア | ||
---|---|---|---|---|---|---|
事前学習 | 演習 | |||||
プレCYDER | 1期 ケース スタディ |
全ての組織 | なし | 2~3時間 程度 |
たったひとつの冴えないパスワード編 5〜8月 |
全国 (職場・ご自宅等) |
2期 ケース スタディ |
新コンテンツ(開発中) 9〜11月 |
|||||
3期 ドリル |
未定 | 新コンテンツ(開発中) 11〜1月 |
||||
3) 受講費用
所属組織 | 対象コース | 費用(税込) | |
---|---|---|---|
国の機関等に所属の方*4 | 全コース | 無料*5 | |
地方公共団体に所属の方 | Aコース / プレCYDER | 無料 | |
Bコース | 1受講 77,000円/人 | ||
Cコース | 1受講 121,000円/人 | ||
上記以外の法人・団体に所属の方 | Aコース / Bコース | 1受講 77,000円/人 | |
Cコース | 1受講 121,000円/人 | ||
プレCYDER | 1受講 11,000円/人 | ||
*4 国の機関、独立行政法人、指定法人(特殊法人・認可法人のうち、サイバーセキュリティ戦略本部が指定する10法人)。ご所属の法人・団体が無料対象かどうか不明な場合は、CYDERのWebサイトのFAQ(https://cyder.nict.go.jp/faq/)をご確認ください。
*5 無料受講の対象組織であっても、年度内に複数回受講される場合には一部制限がございます。詳細はFAQをご確認ください。