Beyond 5G時代におけるSociety5.0の高度化による社会システムの変革を実現するには、通信トラヒックの急増や通信品質の確保、サービスの多様化等に対応しうる革新的なネットワークを構築することが必要です。そのための重点技術として、計算機能複合型ネットワーク技術、次世代ワイヤレス技術、フォトニックネットワーク技術、光・電波融合アクセス技術、宇宙通信基盤技術、タフフィジカル空間レジリエントICT基盤技術の研究開発を実施し、標準化、研究開発成果の普及や社会実装を目指します。

ネットワーク研究所 -Network Research Institute-

研究所長挨拶

研究所長 原井洋明
Beyond 5Gを支えるネットワーク基盤技術の研究開発と成果普及を推進します
 私たちネットワーク研究所は、5カ所(東京・小金井、神奈川・横須賀、宮城・仙台、茨城・鹿島、兵庫・神戸)を拠点に活動しています。前中長期計画期間における「統合ICT基盤分野」の研究開発で培った技術を礎に、 Beyond 5G 時代における Society 5.0 の高度化による社会システムの変革を実現するため、通信トラヒックの急増や通信品質の確保、サービスの多様化等に対応しうる「革新的ネットワーク」分野の研究活動を実施します。すなわち、Beyond 5Gで望まれる機能である広帯域通信や超低遅延、高信頼を叶えるため、光・無線・ネットワーキング等の基礎・システム技術を高める研究活動をしています。また、光や超高周波等の周波数帯を融合して活用できる革新的な情報通信デバイス要素技術の研究開発を支援・推進するオープンイノベーション拠点を備えます。
 世界的なSDGs等の社会課題解決に貢献するため、ネットワークの研究開発に取り組みます。具体的には、数量面と通信領域(陸上に加え海上や上空・宇宙)の三次元拡張性や、災害・障害といった場面でも情報流通を支えるレジリエンスを追求します。さらには、円滑な情報流通を根幹で支える大容量の光通信技術や光と電波を調和利用する技術、柔軟に省力に通信・計算・蓄積・センシングリソース(資源)を制御管理し、さまざまな情報特性に合うネットワークサービスを共存させるための基盤技術を確立してまいります。サイバー空間上のネットワーク技術検証基盤への挑戦も行っています。私たちは、情報を「より多く・早く・広く」、「柔軟に安全に省力に」伝える通信技術によって、社会を支えるネットワーク創りに貢献します。
 私が大学院生のころは、自宅から電話回線で大学の研究室に届くテキストの電子メールを読む程度で、ネット利用は生活と別の空間にありました。今は、いつでもどこでもニュースに触れ、買物し、人々と交流できるように、通信ネットワークが社会インフラとなっています。今世紀に有線のブロードバンド化でインターネットが爆発的に普及し、無線のブロードバンド化や、スマートフォンなど民生機器の便利さにより成長を続けるモバイルネットワークと融合し、今後 も通信ネットワークの成長が期待されています。ISDN・FMCの時代から統合・融合技術により、光や無線を「繋ぐ」ネットワーキングは、新たな技術革新によって、新たなモノを繋ぎ続け価値の創造に貢献しています。
 これからは、地上から海洋、宇宙、さらには月までのインフラを造り・繋ぎ、提供することが期待される時代です。私たち は一体となってネットワーク分野の技術を創造し深化し、標準化、研究開発成果の普及を推進して、Beyond 5G時代の社会を支えます。産業界や学術界と密接に連携し、また、社会の皆さまのご意見にアンテナを張りながら、技術を確立し、研究成果の展開促進や当該分野の国力強化を推進してまいります。

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