Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」のゲーム機能を一新!

〜毎日クイズを継続して、あなたもセキュリティの専門家に〜
2025年5月13日

国立研究開発法人情報通信研究機構

ポイント

  • 『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界でセキュリティの知識を習得できるゲーム機能を大型アップデート
  • セキュリティやITに関するクイズの問題数を大幅に増やし、体系的・継続的に学習できる仕組みを導入
  • ゲーム機能を一新したタチコマ・セキュリティ・エージェントを2025年5月13日(火)からアップデート配信
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)サイバーセキュリティネクサスは、Web媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のためのユーザー参加型プロジェクト「WarpDrive」の大型アップデートを行い、アニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界に没入しながらセキュリティの知識を習得できるゲーム機能を一新しました。ゲーム内で出題されるセキュリティやITに関するクイズの問題数が3,000問以上に大幅増加するとともに、体系的・継続的に学習できる様々な仕組みを導入しました。新しいゲーム機能を搭載したタチコマ・セキュリティ・エージェントは2025年5月13日(火)からアップデート配信を開始し、新規ユーザー向けにはWarpDriveポータルサイトから無償ダウンロードを開始しました。
Web-based Attack Response with Practical and Deployable Research InitiatiVE

背景

悪性のWebサイトを閲覧するだけでマルウェアに感染するWeb媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のため、NICTはユーザー参加型のWeb媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を推進しています。WarpDriveはアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』とタイアップして、PC向けにタチコマ・セキュリティ・エージェント(以下、タチコマSA)、Androidスマートフォン向けにタチコマ・セキュリティ・エージェント・モバイル(以下、タチコマ・モバイル)を無償配布し、参加ユーザーのWebアクセスの観測、分析、警告などを行ってきました。
図1 WarpDrive新バージョン告知

今回の成果

今回の大型アップデートでは、タチコマSA及びタチコマ・モバイルに搭載されているゲーム機能「訓練プログラム」を一新し、ゲーム内で出題されるセキュリティやITに関するクイズの問題数を3,000問以上に大幅増加しました。また、セキュリティやITの技術分野別に学習できる『通常学習モード』と、情報処理関連の各種資格試験の出題範囲別に学ぶ『試験対策モード』の二つのモードを搭載し、参加ユーザーの関心や目的に合わせた体系的な学習が可能になりました(図2参照)。
図2 二つの学習モード
ゲーム内でユーザーは公安9課(通称、攻殻機動隊)の新人捜査員となり、訓練プログラムを受けます。訓練ではタチコマを操作しながら、セキュリティやITに関する3択クイズを解いていきます。通常学習モードでは関心や苦手意識のある技術分野を重点的に学習でき、試験対策モードではIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施している13種の国家試験別に反復学習ができます。
また、継続的な学習をサポートするため、デイリーミッションやウィークリーミッションなどをクリアすることで報酬としてデータピース(攻殻機動隊のイラストの断片)が獲得できるイラスト収集機能を追加しました。訓練プログラムを継続することで、セキュリティやITの知識が資格試験レベルで身に付いていきます(図3〜図6参照)。
新しいゲーム機能を搭載したタチコマSAおよびタチコマ・モバイルは2025年5月13日(火)からアップデート配信を開始しています。また、新規ユーザー向けにはWarpDriveポータルサイトから無償ダウンロードを開始しています。
図3 応用情報技術者試験問題
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図4 正答の解説
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図5 連続プレイ報酬
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図6 イラスト収集機能
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今後の展望

タチコマSAとタチコマ・モバイルには訓練プログラムのほかにも様々なセキュリティ対策・情報収集機能が実装されており、多数のユーザーがWarpDriveプロジェクトに参加し、悪性サイトの情報を共有することによって、プロジェクト全体の観測・分析能力が向上し、参加ユーザーのPCやスマートフォンのセキュリティを高めることができます。今後もWarpDriveプロジェクトを随時アップデートしていきます。

WarpDriveポータルサイト

関連する過去の報道発表

  • 2018年6月1日 Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」の実証実験開始について
    〜 電脳空間にリアライズしたタチコマでWebの安全性向上へ 〜
    https://www.nict.go.jp/press/2018/06/01-1.html
  • 2020年3月16日 Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」スマートフォン向け実証実験を開始
    〜「攻殻機動隊 S.A.C.」タチコマからの問いに答えながらセキュリティ機能を強化〜
    https://www.nict.go.jp/press/2020/03/16-1.html
  • 2022年5月31日 Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を再起動!
    〜『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズとのタイアップを開始〜
    https://www.nict.go.jp/press/2022/05/31-1.html
  • 2023年10月16日 Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を大型アップデート!
    〜『攻殻機動隊 SAC_2045』のキャラクターで遊んで学べるゲーム機能を開発〜
    https://www.nict.go.jp/press/2023/10/16-1.html

用語解説

『攻殻機動隊 SAC_2045』 情報ネットワークとサイボーグ(義体)技術の発達により人々の意思が“電脳”に繋がれた近未来において電脳犯罪に立ち向かう全身義体のサイボーグ・草薙素子率いる攻性の組織、攻殻機動隊。1989年に士郎正宗により発表された原作コミック『攻殻機動隊THE GHOST IN THE SHELL』を起源とし、アニメーション、ハリウッド実写映画など様々な作品群が展開され、その先鋭的且つ圧倒的な世界観とビジュアル表現により、全世界のクリエイターに影響を与えてきた近未来SFの金字塔が新たな未来像を提示する。

©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
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タチコマ 士郎正宗によるSF漫画『攻殻機動隊』を原作とし制作されたアニメ『攻殻機動隊S.A.C.』及び『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズに登場する自律走行可能な思考戦車のこと。高度な人工知能(AI)を搭載しており、操縦者なしでも独自に任務を遂行することができ、電脳空間においては、情報収集や危険な状況の察知など、公安9課のメンバーを強力にサポートしている。 元の記事へ

本件に関する問合せ先

サイバーセキュリティ研究所
サイバーセキュリティネクサス

井上 大介、安田 真悟

広報(取材受付)

広報部 報道室