令和6年度情報バリアフリー通信・放送役務提供・開発推進助成金の交付決定

2024年6月26日

国立研究開発法人情報通信研究機構

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)は、令和6年度情報バリアフリー通信・放送役務提供・開発推進助成金(注)の助成対象事業を決定しましたので、下記のとおりお知らせします。
(注) 身体障害者のための通信・放送役務の提供又は開発に必要な資金について、NICTが予算の範囲内で必要な助成措置を講ずることにより、通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進に資することを目的としており、平成13年度から実施しています。

1. 助成金を交付する事業(助成対象事業)の決定

助成対象事業の公募(令和6年2月1日(木)〜3月28日(木)実施)に申請のあった11件の事業について評価委員会(外部有識者7名で組織)による評価を行い、その結果を基に、次の5件を交付決定しました。

 
事業の名称
事業者名
所在地
1 視覚障がい者向け歩行支援サービスの開発 株式会社コンピュータサイエンス研究所 福岡県
2 視覚障害者によるソフトウェアのアクセシビリティーチェック・評価サービスの開発 株式会社想隆社 東京都
3 聴覚障害者のコミュニケーションを支援する会話可視化サービスの提供 ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 東京都
4 聴覚障害者向け遠隔手話通訳(対面)サービスの提供 株式会社プラスヴォイス 宮城県
5 映画・映像・舞台芸術等に対応したクラウド型情報保障サービスの提供 特定非営利活動法人メディア・アクセス・サポートセンター 東京都
(事業者名は五十音順)

2. 交付決定総額

47,383,000円

3. 助成対象事業の概要

別紙のとおり

4. 関連する報道発表

令和6年度「情報バリアフリー通信・放送役務提供・開発推進助成金」の公募について
(2024年2月1日)

別紙

1
助成対象事業名 視覚障がい者向け歩行支援サービスの開発
助成対象事業者 株式会社コンピュータサイエンス研究所
【事業概要】
本事業は、視覚障害者の安心安全な歩行を支援するサービスの実現を目指し、健常者が利用可能なナビゲーションを視覚障害者も利用できるようにするためのスマートフォンアプリの開発・改良を進めています。歩道上の障害物情報をスマートフォンのカメラがとらえてAI(人工知能)が障害物や目標物を検出し、それを音声で伝えることで情報を補完して視覚障害者の歩行を支援します。
 
【イメージ】
2
助成対象事業名 視覚障害者によるソフトウェアのアクセシビリティーチェック・評価サービスの開発
助成対象事業者 株式会社想隆社

【事業概要】

本事業は、視覚障害者がソフトウェアのアクセシビリティーチェックを自立して行うことができる支援システムを開発し、サービス化することを目指しています。WEBブラウザベース等の多くのソフトウェア開発工程において、視覚に障害のある当事者が関わることが少ないため、視覚障害者が非常に使い難い、アクセシビリティーに問題のあるソフトウェアもあることから、視覚障害者がソフトウェアのアクセシビリティーをチェックできるシステムを開発し、アクセシビリティーの向上を図ります。そして、視覚障害者の就労にも寄与します。

【イメージ】

3
助成対象事業名 聴覚障害者のコミュニケーションを支援する会話可視化サービスの提供
助成対象事業者 ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

【事業概要】

本事業では、聴覚障害者も参加する会議等の場において、複数者の会話をリアルタイムに可視化するサービスを提供します。音声認識と独自開発したワイヤレスマイク・専用アプリケーションを用い、「誰が」「何を」話したのか、話者の方向と文字化した会話を直感的に表示することが可能です。AI(人工知能)を活用した会話要約作成機能により、会話全体の内容を簡単に把握することもできます。

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4
助成対象事業名 聴覚障害者向け遠隔手話通訳(対面)サービスの提供
助成対象事業者 株式会社プラスヴォイス
【事業概要】
本事業は、企業や自治体の意思疎通支援事業等に提供している遠隔手話通訳サービスを、聴覚障害者や当該者に関わる聴者(聞こえる者)が対面でも利用できるように提供するものです。
いつでもどこでもスマートフォンで遠隔手話通訳を利用できるサービス「えんかく+」の対応時間を拡大しつつ、企業や自治体も費用負担するプランを新設するなど、事業の安定化を図ります。

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5
助成対象事業名 映画・映像・舞台芸術等に対応したクラウド型情報保障サービスの提供
助成対象事業者 特定非営利活動法人メディア・アクセス・サポートセンター
【事業概要】
本事業は、視聴覚障害者が映画や舞台芸能を楽しめるようにするため、音声透かしや音声解析技術等を用い、視覚障害者向けに映像を音声で解説する「音声ガイド」や聴覚障害者向けに音声を字幕にしてスマートグラス上に表示する「メガネでみる字幕ガイド」により情報保障サービスを提供します。さらに、サービスを舞台芸能に拡大し、台本の配信や舞台挨拶のリアルタイム字幕の提供を行います。

【イメージ】

本件に関する問合せ先

デプロイメント推進部門
情報バリアフリー推進室

丸山 誠二、 中野 基生
Tel: 042-327-6022
Fax: 042-327-5706

広報

広報部 報道室