ポイント
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NICTほか国際協力チームで開発したテラヘルツ波分光計(SWI)を搭載し、氷衛星の生命の存在可能性を探査
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NICTはSWIの主鏡・副鏡・アクチュエータを担当し、データ解析アルゴリズム開発にも貢献
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今後の木星圏科学や地球外の生命探査への大きな貢献に期待
背景
今回の成果
今後の展望
国際協力チームの役割分担
・ ESA: JUICEの主導
・ マックスプランク太陽系研究所(MPS)(ドイツ): SWIの開発の統括
・ NICT: SWI開発における主鏡・副鏡・アクチュエータの担当、データ解析アルゴリズムの開発
用語解説
木星氷衛星探査機JUICE(JUpiter ICy moons Explorer)
JUICE搭載のサイエンス機器は、以下の11である。
・JANUS(Jovis, Amorum ac Natorum Undique Scrutator)可視分光撮像カメラ
・MAJIS(Moons And Jupiter Imaging Spectrometer)可視・近赤外撮像分光計
・UVS(UV Imaging Spectrograph)紫外撮像分光計
・SWI(Submillimetre Wave Instrument)サブミリ波・テラヘルツ分光計
・GALA(GAnymede Laser Altimeter)レーザ高度計
・RIME(Radar for Icy Moons Exploration)レーダーサウンダ
・J-MAG(Magnetometer for JUICE)磁力計
・PEP(Particle Environment Package)プラズマ環境観測パッケージ
・RPWI(Radio and Plasma Wave Investigations)電波・プラズマ波動観測器
・3GM(Gravity and Geophysics of Jupiter and Galilean Moons)重力観測器
・PRIDE(Planetary Radio Interferometer and Doppler Experiment) 惑星間電波干渉・ドップラー実験
[参考情報] https://sci.esa.int/web/juice/-/50074-scenario-operations
観測性能 |
観測周波数 | 600 GHz帯 (~530 – 600 GHz), 1.2 THz帯 (~1.075 – 1.275 THz) |
システム雑音温度 (Tsys) | 1,500 K (DSB. 600 GHz帯). 3,000 K (DSB. 1.2 THz帯) | |
空間分解能 (水平分解能) | 1,000 – 2,000 km @ 15 Rj, (0.85 – 1.0 km @ 500 km) | |
アンテナ系 | 主鏡のサイズ | 直径 30 cm |
ビーム幅 | 約 0.11°@600 GHz, 約0.057°@1.2 THz | |
表面精度 | < 6 µm r.m.s | |
駆動範囲 | 軌道面内方向 (along-track): -65°– +65°, 軌道面内に直行する方向 (cross-track): -4°– +4° |
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受信機 | ディテクタの形式 | ショットキー・バリア・ダイオード |
積分時間 | 1 – 300 秒 (TBD) | |
分光計 | 形式 | 広帯域分光計 (ACS), 高分解能分光計(CTS) |
観測帯域 | ACS: 5 GHz, CTS: 1 THz | |
周波数分解能 | ACS: 19.5 – 4.9 MHz (256 – 1,024 ch), CTS: 0.1 MHz (10,000 ch) |
[参考情報] 笠井康子ほか, “木星圏探査サブミリ波分光計 JUICE/SWIの挑戦”, 日本赤外線学会誌, 第29巻, 第1号, 2019.
エウロパ氷衛星の地下海から噴出するプリューム
[参考情報] TSUKIMI Webページ https://www.tsukimi.one/
散乱を考慮した3次元テラヘルツ波電磁波伝搬モデル