実践的サイバー防御演習CYDER「オンラインAコース」の提供を開始

2021年11月9日


国立研究開発法人情報通信研究機構

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、実践的サイバー防御演習CYDER*1の「オンラインAコース」について、本日から提供を開始しました。本コースの提供により、時間的・地理的要因等で既存の演習への参加が困難であった方も、Webブラウザを搭載したパソコンとインターネット接続環境を用いることで、サイバーインシデント対応をご自宅や職場から体験することが可能となります。CYDER「オンラインAコース」についての詳細等は、CYDER公式Webサイトにてご確認ください。
*1 CYDER(サイダー): CYber Defense Exercise with Recurrence

1 CYDER オンラインAコース提供の目的

サイバー攻撃が多発し、その手口がますます複雑かつ巧妙になる中で、それに対応できる人材は慢性的に不足しています。NICTではこのニーズに応えるためにCYDERの集合演習(一連のインシデント対応を最大4人のグループでロールプレイ形式で体験できる演習)を提供してきました。
しかし、会場に集合いただく形式の演習では、会場が遠い、開催日に都合が付かない等、時間的・地理的要因で参加が困難な方に対し、より参加しやすい方法の提供が課題となっていました。また、グループワークを行う集合演習と併せて、ご自分のペースで取り組むことができる個人学習用の演習を求める声も寄せられていました。
このような状況を踏まえ、「いつでも*2」「どこからでも」受講が可能で、個人のペースで学習できる「オンラインAコース」を新たに開発し、提供を開始しました。「オンラインAコース」は「集合演習Aコース」のシナリオを個人学習向けに最適化したもので、自習形式でありながら、相応の学習効果が得られるように設計されています。また、グループメンバーと協調しながら課題に取り組む集合演習と両方受講いただくことで、相乗効果が得られ、一層理解が深まるように設計されています。
*2 土日祝日及びシステムメンテナンスの時間を除きます。

2 CYDER オンラインAコースの特徴

特徴① 受講者の都合や学習ペースに合わせて受講が可能
従来、時間的・地理的要因等の理由で演習参加をあきらめていた方々に対し、新たな選択肢と利便性を提供します。また、個人学習向けのコースであり、受講者のペースで課題を進めることが可能です。
 
特徴② Webブラウザのみで演習が完結
ご用意いただくものは、Webブラウザを搭載したご自身所有や職場支給のパソコンとインターネット接続環境のみ*3です。充実した講義資料に加え、講師による課題実施前の説明動画と課題実施後の解説動画で学習者をサポートします。章ごとに用意された課題に解答することで、短時間で理解を深め、知識を定着させることができます。
*3 WebSocket接続が必須となります。通常のパソコン及び通信環境であれば利用可能ですが、職場支給のパソコンや職場の通信環境をご利用の場合、セキュリティポリシー上、利用できないことがあります。また、通信帯域は10Mbps以上を推奨します。その他詳細はCYDER公式Webサイトでご確認ください。
 
特徴③ 仮想演習端末にアクセスして実機演習を実施
Webブラウザ上に、「演習端末」の画面が表示され、インシデント発生の原因調査やログ解析等を実際に体験いただけます(お手元のパソコンに特別なソフトウェアのインストールは不要です)。Webブラウザを通じて実機を操作し、一通りのインシデント対応を体験することで、サイバー攻撃に対する平時からの備えや外部業者への対応依頼の際に、どのような情報を提供すればよいのか、どれくらい時間を要するものなのか等をオンラインで実践的に学べます。

3 CYDERオンラインAコース 受講概要

1) 受講可能期間: 2021年11月9日(火)〜2022年3月初旬予定
2) 想定受講時間: 事前学習 1時間程度 + 演習 1日間
3) 対象組織: 国の機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者、民間企業等
4) 難易度: 初級レベル(CYDER集合演習Aコース相当)
5) 想定受講者: 情報システムに携わり始めたばかりの方、インシデントが発生した際の対応者、安全に情報システムを運用したい方、インシデントへの備えを学びたい方など
6) 受講費用: 国の機関、地方公共団体等に所属されている方*4・・・無料*5
上記以外の法人・団体に所属されている方・・・1受講 77,000円/人
*4  国の機関、地方公共団体、独立行政法人、指定法人(特殊法人・認可法人のうち、サイバーセキュリティ戦略本部が指定する9法人)。
*5  無料対象かどうか不明な場合は、お問合せいただくか、CYDER公式WebサイトのFAQをご確認ください。なお、本コースの受講は、同時受講可能数の都合上、①既に集合演習の開催が終了し今年度の受講機会がない地域の方、②今年度の集合演習の会場の関係で地理的要因により集合演習の受講が困難な方、③CYDERを初めて受講される方を優先させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
7) 申込方法等: 以下のURLにて詳細をご確認の上、お申込みください。

4 CYDERオンラインAコース受講イメージ

CYDERオンラインAコース受講イメージ
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(参考)実践的サイバー防御演習「CYDER」について
セキュリティ人材の育成が喫緊の課題となっている背景を受け、CYDERは、2013年度から2015年度まで総務省の実証実験として実施されてきました。その後、国立研究開発法人情報通信研究機構法の改正を経て、2016年度から、実施主体がNICTに変更され、ナショナルサイバートレーニングセンターにて全国で実施・展開しています。
CYDERでは、NICTが有する大規模サーバー群「StarBED」上に大規模組織のネットワークを模した環境を構築し、その上でサイバー攻撃を擬似的に発生させ、演習を行います。演習は、実機を用いた実践的な内容になっており、サイバー攻撃への理解を深めながらインシデントハンドリングを体験することで、「インシデント検知の方法」「インシデントの被害を最小限にする対処法」「平時からの備え」等について学べます。
2013年度の演習開始から2020年度までの累計受講者数が13,000人を超え、CYDERは日本最大級のサイバーセキュリティ演習プログラムに成長しています。2021年度の集合演習は100回程度実施予定で、現在開催中です。開催日程やお申込み等の詳細は、CYDER公式Webサイトをご覧ください。

本件に関する問合せ先

サイバーセキュリティ研究所
ナショナルサイバートレーニングセンター

Tel: 042-327-5612

広報

広報部 報道室

Tel: 042-327-6923