国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)では、自然災害をもたらす危険性のある災害関連事象の発生をいち早く検出する技術の開発に向け、国内の20を超える地点に装置を設置して自然環境の計測を続けています。このたび、北海道十勝地方南部に位置する大樹町内3地点で観測している超低周波音(インフラサウンド※)の観測データの一般公開を開始しました。
観測データは、日本気象協会のWebサイト『インフラサウンド・モニタリング・ネットワーク』を通じて、他機関の観測データと共に一般公開しています。
情報通信研究機構からのデータ提供は、宮城県内での観測データに続きふたつ目の地域となります。主に千島海溝周辺の地震や津波により発生するインフラサウンドの観測を目的にしていますが、近くで火球が出現した際などにも特徴的は波形が観測されます。公開サイトでは、観測波形を見るだけでなく、ユーザ登録を行うことで観測データの数値データのダウンロードも可能です。
使用しています観測装置は、多地点観測用に情報通信研究機構が開発したものです。小型の気圧センサと超低周波用マイクロホンを組み合わせることで、従来の装置よりも広い周波数範囲において低いノイズレベルを達成しました。これにより、微弱な信号も雑音に埋もれずに検出することができるようになります。
使用しているインフラサウンド観測装置(左:上面、右:側面)
※【用語解説】
インフラサウンドとは、大気中を伝搬する微気圧変動です。微気圧情報と、いわゆる一般的な気圧情報との違いは、主にその分解能にあります。気圧情報を時間的にもレベル的にも高い分解能で観測したものが、微気圧情報です。これにより、従来の気圧観測データだけからでは知ることが出来ない情報を得ることが可能になります。
インフラサウンドとは、大気中を伝搬する微気圧変動です。微気圧情報と、いわゆる一般的な気圧情報との違いは、主にその分解能にあります。気圧情報を時間的にもレベル的にも高い分解能で観測したものが、微気圧情報です。これにより、従来の気圧観測データだけからでは知ることが出来ない情報を得ることが可能になります。