国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、2024年3月21日にインターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役:稲川貴大)へ出資を行いました。この出資は、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」(平成20年法律第63号)に基づき、機構の研究開発成果を活用するベンチャー等に対して行うもの(以下、「成果活用型出資」という。)です。
インターステラテクノロジズ株式会社への出資を通して、NICTの研究開発成果を活用した宇宙ビジネスの成長加速を支援し、宇宙分野のICT利活用拡大による価値創出に貢献します。
インターステラテクノロジズ株式会社の概要
代表取締役:稲川貴大
設立:2003年5月
主な事業内容:ロケットの開発・製造・打上げサービス、次世代人工衛星開発
活用予定の技術概要
インターステラテクノロジズ株式会社は、現在宇宙通信でトレンドとなっている衛星通信コンステレーション(※1)の次を見据えた技術として、ピンポン玉サイズの超超小型衛星数千個を編隊飛行(フォーメーションフライト)させ、宇宙に巨大なアンテナを形成する技術の研究開発を進めています。この技術と衛星通信コンステレーションを組み合わせることで、専用の地上アンテナを必要とせず、スマートフォンのような小型デバイスで宇宙空間の衛星と直接通信できる次世代「衛星通信3.0」の実用化を目指しています(※2)。
超超小型衛星によるフォーメーションフライトを実現するためには、各衛星間の位置関係の把握や制御が必要です。隣接装置の状況を把握し動的なルーティング処理を可能とするNICTの技術を利用することで、フォーメーションフライトの研究開発の進展及び事業化が期待されます。
なお、NICTとインターステラテクノロジズ株式会社は、2023年10月から超超小型衛星を用いた通信システムに関する共同研究も行っております。
※1 衛星通信コンステレーション:多数の小型非静止衛星を連携させて一体的に運用するもの。
※2 フォーメーションフライトは、前述のメリットの他、大型衛星以上の性能を発揮するとともに、いくつかの衛星が壊れても全体の機能を維持できるというロバスト性(堅牢性)に優れている点が特徴。
関連情報
インターステラテクノロジズ株式会社 ホームページ
インターステラテクノロジズと情報通信研究機構 超超小型衛星を用いた通信システムに関する共同研究契約を締結(2023年10月2日 インターステラテクノロジズ株式会社プレスリリース)
インターステラテクノロジズと情報通信研究機構 超超小型衛星を用いた通信システムに関する共同研究契約を締結(2023年10月2日 インターステラテクノロジズ株式会社プレスリリース)