「Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)」及び「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」に係る令和5年度新規委託研究の公募の結果

2023年9月20日

国立研究開発法人情報通信研究機構

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、「Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)」及び「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」に係る令和5年度新規委託研究の公募について、下記のとおり採択しました。


1. 研究開発課題に対する提案課題と提案者

1. Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)
【Beyond 5G機能実現型プログラム基幹課題】

(1) 協調認識の実現に向けた次世代V2X(Beyond 5G-V2X)通信技術の研究開発(課題番号 075)
研究開発項目1 5.9GHz帯におけるリアルタイム・マルチホップ通信技術の研究開発
研究開発項目2 ミリ波帯における高機能ビームフォーミング技術の研究開発
研究開発項目3 実環境を模擬したBeyond 5G-V2X通信技術の可用性検証技術の研究開発

(上記、研究開発項目1、2及び3への提案1件を採択)

■提案課題:協調認識のためのBeyond 5G-V2X通信技術の研究開発
提案者:シャープ株式会社(代表提案者)、国立大学法人京都大学、株式会社KDDI総合研究所
概要:Beyond 5Gにおける協調認識のための5.9GHz帯リアルタイム・マルチホップV2X通信技術の研究開発、およびミリ波帯を用いたV2X通信のためのビームフォーミング技術の研究開発を行い、小規模/大規模交差点や鉄道分野の用途等における高いリアルタイム性と安定性を併せ持った通信品質を実現するとともに、事故防止や利便性の向上を実現することを実環境エミュレーションおよびテストコースを用いた概念実証(PoC:Proof of Concept)により示す。


(2) 災害時の応急エリアカバレッジのための無線通信技術の研究開発(課題番号 076)
研究開発項目1 高速UAV等を使った応急エリアカバレッジの研究開発

(上記、研究開発項目1への提案1件を採択)

■提案課題:高速UAV等を使った応急エリアカバレッジの研究開発
提案者:ソフトバンク株式会社(代表提案者)
概要:大規模災害時等においても社会インフラの一つである携帯通信サービスを被災地全体で継続させ、被災地の居住者が受ける影響を最小限に抑える手段が不可欠である。そこで、大規模災害等の被災地で携帯通信が不通となったエリア全体に臨時の上空携帯通信インフラを「迅速に提供」することを目指す。特に、災害時にも通信できる地上基地局が残るため、同一周波数で構築する上空携帯通信インフラとの干渉調整が不可欠であり、その調整に多くの時間を要す。そこで、事前の干渉調整を不要とする上空携帯通信インフラの構築を実現するための研究開発及び実証を世界に先駆けて実施する。


2. 革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業
【電波有効利用研究開発プログラム】

(1) Beyond 5Gにおける超広域・大容量モバイルネットワークを実現するHAPS通信技術の研究開発(課題番号 077)
研究開発項目1 HAPSのサービスリンクにおける地上システムとの周波数共用技術の研究開発
研究開発項目2 HAPSのサービスリンクの多重化による高速大容量化技術の研究開発
研究開発項目3 HAPSのフィーダリンクにおけるLoS空間多重技術による高速大容量化の研究開発
研究開発項目4 HAPSのフィーダリンクにおける柔軟に切替え可能なGW局との通信方式による高速大容量化技術の研究開発

(上記、研究開発項目1及び3への提案1件と、研究開発項目2及び4への提案1件をそれぞれ採択)

(研究開発項目1及び3への提案)
■提案課題:HAPS移動通信の高速大容量化技術の研究開発
提案者:ソフトバンク株式会社(代表提案者)
概要:超広域のカバーエリア、災害に強いネットワークを実現する新たな移動通信プラットフォームとしてHAPSへの期待が高まっている。本研究開発では、HAPS移動通信のサービスリンクにおけるセル高密度化技術、および、地上ネットワークとの周波数共用技術、フィーダリンクの高速大容量化技術について検討を行う。これにより周波数利用効率の向上を達成し、従来技術と比較してHAPSシステムで2倍以上の大容量化を実現することを目標とする。また、HAPS・地上システム間の周波数共用により、柔軟なエリア展開を実現するとともに、提案技術を適用しない場合と比較して周波数利用効率を1.5倍以上向上させることを目標とする。


(研究開発項目2及び4への提案)
■提案課題:HAPSを介した携帯端末向け直接通信システムの早期実用化と高速大容量化技術の研究開発
提案者:株式会社Space Compass(代表提案者)、株式会社NTTドコモ、日本電信電話株式会社、スカパーJSAT株式会社
概要:Beyond 5Gに向けて非地上系ネットワーク(NTN:Non Terrestrial Network)への期待が高まる中、高高度プラットフォーム(HAPS:High Altitude Platform Station)による携帯端末への直接通信システムの早期実用化が期待されている。一方、現時点では国内におけるHAPSを用いた成層圏環境での通信実験が行われた実績はなく、早期実用化に向けて様々な技術課題がある。本研究開発では、HAPSを介した携帯端末向け直接通信システムの実現に向けた技術課題を解決し、国内成層圏環境でのHAPS通信実験を実施することで、2025年度中の早期実用化を目指す。さらに、Beyond 5G時代におけるHAPSの事業規模及びユースケースの拡大を図るため、HAPSを介した携帯端末向け直接通信システムの高速大容量化技術、及び、海上エリアでの運用やTDD周波数帯の活用等、HAPSの柔軟なサービス運用に資する研究開発を実施する。


2. 公募等の概要

ICTは、学識経験者で構成される評価委員会の評価等を踏まえ、採択しました。
 公募の詳細は、以下のWebサイトをご参照ください。
 https://www.nict.go.jp/press/2023/05/31-1.html

本件に関する問い合わせ先

イノベーション推進部門 委託研究推進室

公募担当

Tel: 042-327-6011