「Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)」に係る令和4年度新規委託研究の公募について(予告)

2022年8月24日


国立研究開発法人情報通信研究機構

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長:徳田 英幸)(以下、「NICT」)は、総務省における令和4年度当初予算「Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)」に係る補助事業者として決定されました。
つきましては、Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)における令和4年度新規委託研究の公募として、「Beyond 5G研究開発促進事業 研究開発方針」(令和4年6月10日総務省)に基づき、以下のとおり3つのプログラムを実施する予定ですので、お知らせします。
なお、本公募による研究開発は、電波法第103条の2第4項第3号*に規定する研究開発のみを対象とし、また、NICTでは、Beyond 5G研究開発促進事業に関し、意見募集を踏まえて、開発対象と具体的に開発する技術等の候補例(第2版)**を作成し、令和4年8月5日に公表しました。当該候補例を参考にして、研究開発課題を広く提案していただく予定です。

1.Beyond 5G機能実現型プログラム
(1) 基幹課題:開発目標(数値目標等)を具体的かつ明確に定めてハイレベルな研究開発成果の創出を目標とするもので、NICTが予算規模、実施内容等について総務省と協議して研究計画書を作成し、実施者を公募するものです。
(2) 一般課題:開発目標について外部の自由な発想に委ねるものは、NICTで研究概要のみを定め、当該開発技術に関する研究開発提案を広く公募するものです。

2.Beyond 5G国際共同研究型プログラム
Beyond 5Gの技術シーズの創出、要素技術の確立を目指し、欧米等の戦略的パートナーとの連携による国際共同研究を推進するため、開発技術や開発目標について外部の自由な発想に委ね、研究開発提案を広く公募するものです。

3.Beyond 5Gシーズ創出型プログラム
Beyond 5Gの技術シーズの創出、要素技術の確立を目指し、斬新なアイディアやチャレンジ性を有する研究、萌芽的な研究をはじめとして、若手研究者やスタートアップ、中小企業等による研究も含め、幅広い多様な研究開発を推進するため、開発技術や開発目標について外部の自由な発想に委ね、研究開発提案を広く公募するものです。

公募の情報は下記のとおりです。公募開始後に、NICT Webサイトに掲載される研究開発課題の内容、応募要領等をご確認ください。

Ⅰ.研究開発課題等

1.Beyond 5G機能実現型プログラムのうち基幹課題について

公募予定の研究開発課題は次のとおりです。

(1) Beyond 5Gにおける高度RAN基盤を実現するOpen RAN技術の研究開発【課題065】
・概要:Beyond 5Gにおいて必須となる、多様なサービスを供給可能な無線アクセスネットワーク(RAN)を限られた電波資源の中で実現するため、新たな多様の技術の導入を可能とするOpen RAN技術に関する研究開発を実施する。①高度な自律制御を用いたトラヒックの高速処理によりトラヒック量の変動の平準化を行うセクタ管理効率化技術、②マルチベンダー接続されたRANのインテリジェント化によりアンテナビーム制御をはじめとしたRANの制御及び最適化を行うRAN Intelligent Controller(RIC)用アプリケーション技術、及び③超稠密設置された基地局環境においても従来以上に緻密に干渉回避を行うためのアンテナ送信電力等の高度な制御技術を実現することで、電波の有効利用に資する。
・研究開発期間:契約締結日から令和7年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和7年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額32億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件


(2) Beyond 5G次世代V2X通信向け協調通信技術の研究開発【課題066】
・概要:自動運転の普及に伴い通信需要が増大することが見込まれるV2X通信に関して、周波数ひっ迫の影響を受けずに安定的なV2X通信を実現するため、Beyond 5G技術をベースとした周波数利用効率の高いV2X向け通信技術、及び狭域通信はじめ既存ITS無線やV2N通信等との高度な協調動作技術に関する研究開発を実施する。本研究開発を通じて、従来に比べ、周波数利用効率を2倍以上、遠隔操作における遅延時間を半分にするV2X通信技術を確立し、3GPPなどの国際標準化団体等への提案活動により、将来の高度な協調型自動運転の実現に寄与する。
・研究開発期間:契約締結日から令和7年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和7年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額10億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件


(3) Beyond 5G宇宙ネットワーク向け未利用周波数帯活用型の通信技術の研究開発【課題067】
・概要:近年の低軌道衛星コンステレーションの伸展に伴い、現在、宇宙ネットワーク(宇宙NW)の構築に利用されているKu帯、Ka帯といった周波数資源の枯渇が懸念されており、Ku帯、Ka帯よりも上で未利用の周波数であるQ帯、V帯、W帯の周波数の利用が世界的に検討されている。このような背景を踏まえ、Beyond 5G宇宙NW向け未利用周波数帯活用型の通信技術としてQ帯、V帯における高機能デジタルビームフォーミング(DBF)送受信技術、Q帯、V帯における高性能送受信機器技術、W帯衛星搭載機器の基盤技術の研究開発を行う。本研究開発によりBeyond 5Gネットワークのグローバルカバレージ実現に寄与するとともに、高い周波数への移行が促進されることにより、衛星通信用周波数のひっ迫を緩和することで電波の有効利用に資する。
・研究開発期間:契約締結日から令和8年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和8年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額20億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件


2.Beyond 5G機能実現型プログラムのうち一般課題について
・概要:NICTでは、Beyond 5G研究開発促進事業に関し、開発対象と具体的に開発する技術等の候補例(第2版)** のリストを参考にして、研究開発課題を広く提案していただきます。本公募による研究開発は、電波法第103条の2第4項第3号に規定する研究開発のみを対象とします。(予定)
・研究開発期間:2~4年程度(予定)
・研究開発予算:1件あたり最大5億円/年(税込)(予定)
・採択件数:5件程度(予定)


3.Beyond 5G国際共同研究型プログラムについて
・概要:Beyond 5G研究開発が具備すべき機能として挙げられている「超高速・大容量」、「超低遅延」、「超多数同時接続」、「自律性」、「拡張性」、「超安全・信頼性」、「超低消費電力」を実現する上で、どのような技術シーズを創出できるか、要素技術の確立に向けてどのような貢献ができるかを説明して、提案していただきます。本公募による研究開発は、電波法第103条の2第4項第3号に規定する研究開発のみを対象とします。なお、令和4年度の本プログラムの実施については、国際共同研究の形態として、Beyond 5G等のICT分野の先端技術に関する研究開発協力について、政府間の合意がある国・地域等の研究機関と共同で、又は、国際的なコンソーシアム(連携機関)と連携して、研究開発を行うものを対象とします。また、国際共同研究の相手が、相手国からファンディングを受けている場合には、研究開発内容、共同研究の意義、ファンディングの規模等を採択にあたって考慮します。
・研究開発期間:2~3年程度(予定)
・研究開発予算:1件あたり最大1億円/年(税込)(予定)
・採択件数:シーズ創出型プログラムと合わせて10件程度(予定)


4.Beyond 5Gシーズ創出型プログラムについて
・概要:Beyond 5G研究開発が具備すべき機能として挙げられている「超高速・大容量」、「超低遅延」、「超多数同時接続」、「自律性」、「拡張性」、「超安全・信頼性」、「超低消費電力」を実現する上で、どのような技術シーズを創出できるか、要素技術の確立に向けてどのような貢献ができるかを説明して、提案していただきます。本公募による研究開発は、電波法第103条の2第4項第3号に規定する研究開発のみを対象とします。
・研究開発期間:2~3年程度(予定)
・研究開発予算:1件あたり最大1億円/年(税込)(予定)
・採択件数:国際共同研究型プログラムと合わせて10件程度(予定)


Ⅱ.公募開始の時期

令和4年8月下旬~9月上旬を予定しています。
なお、公募期間は1か月間を予定しています。

Ⅲ. 公募説明会

令和4年9月上旬を予定しています(オンライン開催)。

Ⅳ. その他

・Beyond 5G機能実現型プログラムのうち一般課題、Beyond 5G国際共同研究型プログラム及びBeyond 5Gシーズ創出型プログラムの提案にあたり、これまでに採択された実施課題と内容が重複すると判断される場合は採択されませんのでご注意ください。これまで採択された実施課題については、以下のサイトから確認できます。
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_kadai.html
・Beyond 5G研究開発促進事業(電波有効利用型)の進捗管理等は、これまでと同じプログラムディレクターが実施します。
・これまでの公募に関する情報等については、以下のWebページ内の「Beyond 5G研究開発促進事業 公募情報」をご覧ください。
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_kobo/B5G_kobo.html

本件に関する問い合わせ先

イノベーション推進部門 委託研究推進室

中後 明、近藤 健、遠田 麻衣子

Tel: 042-327-6011