NICTは、2022年3月7日、アジア太平洋-欧州リング(AER)に新たなメンバーを加え、欧州とアジア太平洋地域間の協力を延長・拡大する覚書をAPAN53会合(バングラデシュ及びオンライン)にて他の9メンバーとともに更新しました。
2019年7月に署名された最初のAER覚書は、欧州とアジア太平洋間を100Gbpsで接続する最先端の研究教育ネットワーク(REN)のための協力協定であり、リンク障害が発生した場合に互いにバックアップすることによって、非常に堅牢で耐障害性に優れた100Gbpsネットワークリングを実現するため締結されました。
今回の覚書更新により、当初のメンバー(NICT、オーストラリア学術研究ネットワーク(AARNet)、欧州GÉANT、国立情報学研究所(NII)、ノルディック大学ネットワーク(NORDUNET)、シンガポール先端研究教育ネットワーク(SingAREN)、オランダ大学共同利用コンピューティング施設(SURF)、テイン協力センター(TEIN*CC))に、香港学術研究ネットワーク(HARNET)とサウジアラビア キング・アブドラ科学技術大学(KAUST)が加わり、メンバーが増えるだけでなく、世界の研究教育ネットワークシステムの耐障害性を大幅に向上させることができます。
また新たな覚書により、アジア太平洋-欧州リングの帯域幅の倍増を可能とするとともに、協力の範囲を拡大します。さらに、複数のネットワークパスを可能にし、ネットワークが停止した場合にバックアップ接続を提供することに加え、エンジニアリング及び管理活動の調整、新たなネットワーク技術とサービスの展開に関する協力並びに広帯域幅を必要とするアプリケーションの開発が可能となります。また、共有ルーティングの実践と測定データの共有も促進します。
今回延長・拡大された覚書では、研究や教育のための耐障害性に優れた高速なネットワークサービス提供システムの開発と継続的な提供に向けた共同での取り組みに合意することにより、これらの地域の研究者や学者のみならず、世界中と協力するメリットを示唆しています。
Asiapacific-Europe Ring(AER)
AER覚書署名式の模様