ポイント
- 量子鍵配送の1パルスあたりの鍵生成レートに原理的な限界があることを解明
- 量子鍵配送プロトコルの改良により、1パルスあたりの鍵生成レートが10倍程度向上可能
- 行政・産業・医療機関ネットワーク等における量子鍵配送の実用化研究開発が加速
NICTは、レイセオンBBNテクノロジーズ社(米国)及びルイジアナ州立大学(米国)と共同で、現在実用化が進められている2地点間の量子暗号における新理論を確立し、量子鍵配送の1パルスあたりの鍵生成レートの原理的な限界を世界で初めて解明しました。量子暗号は、コンピュータによる解読が絶対不可能とされる究極的な暗号通信として、実用化が期待されている新しい技術です。今回の成果は、鍵生成レートが量子鍵配送プロトコルの改良により、現在の更に10倍程度まで向上できる可能性を示すとともに、その将来的な限界を明らかにしました。これらは、これからの研究開発の指針を与えるものであり、このことにより、今後の研究開発の加速が大きく期待されます。
なお、本成果は、英国科学電子ジャーナル「Nature Communications」(英国時間 10月24日(金)午前10:00)に掲載されます。
掲 載 誌: Nature Communications (Nature Publishing Group), DOI: 10.1038/ncomms6235
掲載論文名: Fundamental rate-loss tradeoff for optical quantum key distribution 著 者 名: M. Takeoka, S. Guha, and M. M. Wilde
詳細説明資料、背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)などの詳細は
URL:https://www.nict.go.jp/press/2014/10/24-2.html
を参照ください。
報道発表
掲載日 | 掲載紙 | 紙面 | 掲載内容 |
---|---|---|---|
12月19日 | 科学新聞 | 5 |
2014本紙記者雑感 量子暗号で新原理、新理論 |
12月4日 | 電波新聞 | 12 |
NICTなど量子鍵配送に関する新理論を確立 |
11月7日 | 科学新聞 | 1 |
量子鍵配送の新理論を確立 鍵生成レートに原理的限界 現状の10倍程度まで NICT |
11月3日 | 日刊工業新聞 | 13 |
量子暗号通信で新理論 鍵生成速度に限界 情通機構 |
11月3日 | 日本情報産業新聞 | 1 |
量子暗号に新理論 鍵作成時の生成速度解明 NICT |
10月29日 | 電波タイムズ | 1 |
量子暗号に新理論確立 鍵生成速度についての原理的な限界を解明 |