主担当者:鯨岡 真美子、光武 慧、佐々木 雅英
試料作製担当:赤羽浩一、山本直克 (先端ICTデバイスグループ、フォトニックデバイスラボ)
量子情報処理は、従来の情報処理では不可能・不得意な情報処理を可能にする全く新しい技術であり、私達の生活を豊かにするよりよい情報通信社会を実現する 夢の技術です。将来量子情報処理を現実のものにするためには、集積化・デバイス化などの観点から、量子情報の基本的なしくみを固体で実現することが必要不 可欠です。その素子の候補の一つとして、半導体をナノサイズ(約1億分の1メートル)の粒に加工した“半導体量子ドット”が挙げられます。特に我々の取り 扱う量子ドットは、歪補償法という特殊な方法を用いて作製したInAs量子ドットであり、通信波長帯で発光することや、150層に及ぶ積層構造が可能であ ることなどが特長として挙げられます。我々はこの歪補償量子ドットを対象として、超高速光パルスによる非線形分光技術を駆使することにより、励起子のラビ 振動制御や位相緩和時間の評価・制御、また将来固体量子メモリを実現するための原理実証実験を行なっております。