従来、狭線幅の緑色コヒーレント光発生には、YAGレーザの第2高調波等が用いられてきました。今回、これに代わる半導体レーザの高効率第2高調波発生による狭線幅緑色コヒーレント光源の開発に成功しました。出力50mW、波長1080nmの外部共振器型半導体レーザとa軸カットのKTP結晶を組み合わせることによりTYPE IIの非臨界位相整合(NCPM)を実現し、変換効率51.6%でビームクオリティの高い波長540nmの緑色コヒーレント光を得ています。共鳴光フィードバックの手法を用いた安定化と狭線幅化が行われており、強度安定度は0.3%、線幅は82kHz以下でした。この光源はa軸カットのKTP結晶を用いた光パラメトリック発振器を励起するのに最適であり、組み合わせて非古典光であるツインビームの発生を行った結果、出力5.1mWで63%のスクイージングが得られました。この開発成果は、量子情報通信の多機能化へ向けて、装置の高効率化、コンパクト化および低廉化で世界に先行するものです。
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News Breaks in “Laser Focus World”、2005年9月1日
発表論文
Optics Express 12, 3567 (2004)
Optics Letters 29, 1665 (2004)
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2004年9月1日