実験は、11月13日~18日に米ソルトレイク・シティで開催された国際会議「
SC16」で米国から日本に向けてデータを転送する形で実施しました。1TBを転送した時の実質転送速度(
グッドプット)は137.2Gbps(転送時間58秒)~143.1Gbps(転送時間55秒)、10TB時は148.7Gbps(転送時間8分58秒)でした。1TBは一般的な25GBのブルーレイディスクで40枚分、地上波デジタル放送の動画に換算すると約120時間分に当たり、この大容量データを1分未満で転送したことになります。
日米間の往復遅延時間は、シアトル経由で115ミリ秒、ロサンゼルス経由で113ミリ秒でした。これは、転送速度84Gbpsを記録した昨年の
国内実験での25.7ミリ秒に比べて4倍以上でした。従来の転送プロトコルでは、遅延時間が4倍になると転送速度は4分の1になりますが、MMCFTPは往復遅延時間の大きさに応じてTCPコネクションの数を自動調整するため、こうした問題は発生しません。実験は「
メモリーtoメモリー」と呼ばれる条件で実施しました。
10TB転送時の実質転送速度は148.7Gbps(転送時間8分58秒)で、トラフィックはシアトル経由とロサンゼルス経由の2経路に、ほぼ均等に分散されました(
図2、
図3、
図4)。これは、両経路間で往復遅延時間・回線品質共に大きな差がなかったためです。