国家戦略特別区域(地方創生・近未来特区)である仙北市において、図1に示すように、ドローン、地上局、図書室端末、配送管理端末、データサーバで構成されるシステムの通信に、事前に配布した共通鍵による共通鍵暗号(AES方式)とワンタイムパッド暗号を適用しました。このシステムでは、各機器間の通信(図書室端末と配送管理端末間、配送管理端末とドローン制御の地上局間、地上局とドローン間)がすべて暗号化されています。
西明寺中学校から図書配送リクエストを受信した西明寺小学校では、図2aに示すように、約1kgの図書をドローンへ積み込むとともに、端末からドローン制御地上局に対して配送先の情報を送信します。図書を積載したドローンをオペレータの操縦により、高度約50mまで上昇させた後、図3に示すあらかじめ設定された直線距離で約1.2kmのコースを自動航行で飛行させ、再びオペレータにより、西明寺中学校校庭の設定した場所へ着陸させることに成功しました。
特に今回、ドローンと地上局間の暗号通信は、理論上最強の安全性を持つワンタイムパッド暗号により守られています。また、図2bに示すように、小型で軽量のワンタイムパッド暗号化装置を開発し、ドローンへ実装しました。これにより、制御通信の乗っ取りや情報漏えいを完全に防御した環境で、ドローンによる配送サービスを実施できることを実証しました。
4月11日(月)に実施された運用実証実験は一般公開され、実験に参加した小中学生ほか仙北市市長をはじめ地元の方々に見守られる中、行われました。