NICTは、太陽活動や宇宙環境変動の観測を行い、現況とその推移に関する情報提供を行っています。
2014年9月12日
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT、理事長: 坂内 正夫)は、日本時間9月11日(木)1時44分に、太陽面中央に位置する黒点群2158における大規模な太陽フレア現象の発生を確認しました。この現象の最大X線強度は、通常の百倍以上に及ぶ大型のものです。また、この現象に伴って、高温のコロナガスが地球方向へ噴出したこと及び高エネルギーのプロトン粒子の増加が確認されています。コロナガスは、日本時間の9月12日(金)遅くから9月13日(土)にかけて到来することが予測されています。
この影響で、地球周辺の宇宙環境や電離圏、地磁気が数日間程度大きく乱れる可能性があり、通信衛星・放送衛星などの人工衛星の障害やGPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害や急激な地磁気変動に伴う送電線への影響などが生じる恐れがあり、注意が必要です。
また、この現象を引き起こした非常に活発な黒点群は、現在、ほぼ太陽面中央にあるため、今後1週間ほど同規模の太陽フレア及び関連現象の発生に注意が必要です。
背景
②この太陽フレア現象に伴って、地球方向へのコロナガスの放出(Halo CME現象)及び高エネルギープロトンの増加が観測されています。
③ ②の地球方向へ放出されたコロナガスは、日本時間の9月12日(金)遅くから9月13日(土)にかけて到来することが予想されます。
今後の推移
今回報告した大規模太陽フレアに伴うコロナガスの放出は、日本時間の9月12日(金)遅くから9月13日(土)にかけて地球に到来し、第24太陽活動サイクル中、最大規模の影響を与える可能性があります。その場合、到来後数日間にわたって、地球周辺の宇宙環境や電離圏、地磁気を乱れさせる可能性があり、注意が必要です。また、今回の現象は、現在、太陽面中央にある黒点群2158で発生しているもので、今後1週間ほど地球に影響を与える可能性があり、注意が必要です。
補足資料
人工衛星SDO(NASA)で観測された太陽画像(左:可視光、右:紫外線)
人工衛星GOES(NOAA/SWPC)によって観測されたX線
人工衛星GOES(NOAA/SWPC)によって観測された高エネルギープロトン
人工衛星SOHO(ESA&NASA)によって観測された地球方向へのコロナガス放出(CME現象)
用語解説
本件に関する 問い合わせ先
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宇宙環境インフォマティクス研究室
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