- イッテルビウムイオンを用いた高精度のマイクロ波原子時計を開発
- レーザー冷却技術を世界で初めてマイクロ波の原子時計に本格導入することで、従来の約5倍の精度を実現
- 時刻、周波数配信の高精度化、通信の多重化及び高速化、測位の高精度化に貢献が期待
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT、理事長: 坂内 正夫)は、イオントラップ型マイクロ波原子時計を開発し、現在、放送分野や精密測定分野などで広く使用されているルビジウム原子時計を約5倍上回る精度を実現しました。今回開発した原子時計は、原子捕捉型マイクロ波原子時計としては初めて、レーザー冷却を適用することで、その高精度を達成しました。この小型で精度の高いイオントラップ型マイクロ波原子時計は、精密測定の精度向上や測位技術の発展、同期精度の向上による通信の多重化及び高速化に貢献することが期待されます。
この実験結果は、欧州の科学誌Applied Physics Bに採択されました(オンライン版は6月20日に掲載済み)。
なお、本研究は、独立行政法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)の一環として行われました。