独立行政法人 情報通信研究機構(理事長:坂内 正夫)は、暗号プロトコルの安全性評価手法の拡張に関する研究開発について提案を公募します。
「暗号プロトコル」とは、暗号アルゴリズムを通信プロトコルの構成部品として用いた通信手順を意味しており、通信の盗聴やなりすましの防止といった、通信の安全性の実現を目的としたものです。現在、暗号プロトコルはネットワーク上で広く使われていますが、安全性が理論的に評価されている利用環境は限られています。この問題を解決するため、近年、様々な利用環境における安全性を効率的に評価する理論が構築されてきています。しかし、これらの理論は、対象とする暗号プロトコルに制約があり、さらに評価手法がソフトウェア等で実装されていないため、実際に評価する上での課題が明らかではありません。
本研究では、様々な利用環境における安全性を効率良く評価するための理論について、評価手法をツール化することで、実際に適用する上での課題を明らかにし、その課題の解決を図るとともに、対象とする暗号プロトコルの制約を緩和することで、より多くの暗号プロトコルの様々な環境における安全性評価を効率化することを目的とします。これにより、ネットワークの状況や環境によらずプライバシ保護や認証を実現し、安心・安全なネットワーク利用の促進を目指します。
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