- 超伝導技術を使って、極めて高い光感度を持つ単一光子検出システムを開発
- 従来比3倍の検出効率80%、半導体光子検出器よりも1,000倍以上の性能指数を達成
- 量子暗号通信、微弱光通信、レーザー測距技術、蛍光測定など幅広い分野での応用が可能
独立行政法人 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長: 坂内 正夫)は、 通信波長帯でシステム検出効率 80%以上(従来の約3倍)という極めて高い光感度を持つ「超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)」の開発に成功しました。今回開発したSSPDは、高検出効率に加え、高計数率、低ノイズ(低暗計数率)、低ジッタという特長を兼ね備えており、量子暗号通信の通信可能距離の大幅な改善などに役立つと考えられます。また、本SSPDは、液体ヘリウムを必要としない小型の機械式冷凍機で冷却できるため、長時間の連続使用が可能です。さらに、光キャビティ構造の最適化により、幅広い波長帯域で高い検出効率を実現できるため、現在広く利用されているアバランシェ・フォトダイオード(APD)よりも更に高性能な光子検出器として、バイオ・医療分野をはじめ幅広い分野での利用が期待されます。
なお、本研究成果の一部は、2013年11月4日(米国時間)付けの米国科学誌Optics Expressに掲載されました。