- 竜巻をもたらす巨大積乱雲の影響を高度300㎞上空の電離圏で観測
- 巨大積乱雲から2種類の大気の波が宇宙にまで到達していたことが判明
- 竜巻発生などの気象現象と電離圏との関係を解明する有力な手がかりに
独立行政法人 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長: 坂内 正夫)は、2013年5月にアメリカ合衆国オクラホマ州ムーア市に大きな被害をもたらした巨大竜巻の発生後、高度300㎞付近の電離圏に波紋状の大気の波が現れていたことを明らかにしました。大気の波は7時間以上持続し、アメリカ大陸全体に広がりました。この大気の波は、竜巻の親雲である巨大積乱雲の大規模なエネルギーが電離圏にまで到達したものと考えられます。巨大積乱雲が電離圏に与える影響を高分解能かつ広範囲に観測したのは今回が初めてです。この研究結果は、気象現象と電離圏との関係を解明する有力な手がかりであるとともに、宇宙から巨大竜巻の発生に関する情報を得られる可能性を示しています。
なお、本研究成果は、国際的科学誌Geophysical Research Letters(電子版)に掲載されます。