スマートハウス/ビルにおいては、宅内エネルギー管理システムと次世代電力量計「スマートメーター」や電気機器が通信することにより、エネルギー管理・制御を行います。このエネルギー管理アプリケーション用国際標準通信規格として、エコーネットコンソーシアムが策定した「ECHONET Lite規格」があります。しかし、この規格は、セッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層に関する通信規格であり、トランスポート層・ネットワーク層・データリンク層・物理層といったいわゆる下位層と呼ばれる実通信に係る方式は規定されていませんでした。
そこで、NICTは、この下位層に係る無線機の研究開発を行うとともに、その成果の国際規格化、普及を目指して、これまでに主に以下のような活動を行ってきました。
● 2012年1月:「Wi-SUNアライアンス」を設立(2013年9月現在、国内外35社加盟)
「ECHONET Lite規格」のアプリケーションに対応した国際無線標準通信規格「Wi-SUN」を策定
・「Wi-SUNアライアンス」は、IEEE802.15.4g規格をベースにした相互接続を有する無線通信規格の策定、普及を目的とした業界団体。NICTは、同アライアンスの設立メンバーであり、かつ、理事会共同議長に就任
・この「Wi-SUN」規格は、一般社団法人 情報通信技術委員会(TTC)においてECHONET Lite向け下位層通信インタフェース規格JJ-300.10としても採択されている。
● 2012年3月: 下位層に係る「無線機」の研究開発を実施、小型・省電力無線機の開発に成功 ※1過去の報道発表
● 2012年5月: 開発した無線機の通信仕様を、米国企業4社との連携により、スマートメーター用無線国際規格IEEE802.15.4gとして標準化 (NICTは副議長) ※2過去の報道発表
● 2013年5月: ECHONET Lite 及び Wi-SUN規格搭載の「無線機」の開発に成功 ※3過去の報道発表