独立行政法人 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:坂内 正夫)は、「革新的光ファイバの実用化に向けた研究開発」について、株式会社KDDI研究所及び日本電信電話株式会社のそれぞれを研究代表者とする2つの研究グループに委託して実施することを決定しました。
光ファイバに射し入れることのできる光エネルギーには上限があり、現状のままでは増大し続ける通信トラフィックを将来収容できなくなるとの可能性が指摘されています。この容量枯渇の問題を解決する次世代技術として、マルチコア光ファイバの実用化が期待されています。このファイバは、1本の光ファイバに複数のコア(光の通り道)を配置したもので、コアが1つの場合に比べ、伝送容量を大幅に大きくすることができます。マルチコア光ファイバの研究は、これまでの探索的な基礎研究の段階から実用化を目指して取り組むフェーズに入りました。この研究課題では、設計指針の確立と、更なる高性能化・信頼性の向上を進めます。2つの研究グループがそれぞれの研究構想に基づき互いに競い合うことで、実用化に向けたより高い成果が生み出されることが期待されます。