東日本大震災において各地で通信が途絶した教訓を受け、NICTでは産学官の連携体制のもと、“無線通信”の強みを生かした災害に強いネットワークの研究開発を行っています。その一環として、災害時の通信規制の原因となる「通信の集中」が起きにくい構造を持ち、基地局の故障やネットワークの切断があっても通信機能を最大限維持する特徴を備えた「耐災害ワイヤレスメッシュネットワーク」の技術実証を行うテストベッド設備を、東北大学キャンパス内(仙台市)に整備しました。「小型無人飛行機」を用いた「無線中継システム」と「ソーラー可搬基地局」は、このテストベッド設備の一部として開発・整備されたもので、2013年3月末には、これらに様々な基地局を組み合わせて公開デモンストレーションを行いました。
これまで、災害による地理的な孤立や停電が発生した際に、どの程度の通信サービスが提供可能であるかについて収集したデータは乏しく、また、その予測も困難でしたが、NICTでは世界でも例がない本無線中継システムを用いて、詳細な性能評価のための実験を続けてきました。