ファイアウォールや侵入検知システムなどの従来の情報セキュリティ技術の多くは、組織内ネットワークとインターネットとが接続するネットワーク境界において攻撃を検知・防御する「境界防御」が主流です。しかしながら、USBメモリやメールの添付ファイルを経由したマルウェア感染、さらにはゼロデイ攻撃などによって、組織の内外から境界防御を突破される情報セキュリティインシデントが多発しており、ネットワーク境界の内側を観測・分析する情報セキュリティ対策の重要性が増しています。
NICTはこれまで、大規模ネットワークの管理を支援するネットワークリアルタイム可視化システムNIRVANAを開発し、国内企業を中心に研究成果の社会還元を進めてきました。NIRVANAは、ネットワーク境界の内側を流れる通信をリアルタイムに観測するシステムですが、セキュリティ分析機能は有していませんでした。