近年、海外で増加している特許の侵害・訴訟リスクを回避するため、外国の特許文献の検索や内容把握が不可欠となっており、日本語への翻訳ニーズが高まっています。しかし、人手による翻訳には費用と時間が莫大にかかる一方で、日本語への自動翻訳システムには精度が低いという問題があります。
特許文は、一文が非常に長く、また、英語や中国語の文法は、日本語の文法と全く異なります。そのため、翻訳の際、語順の変換が難しく、さらに、大量の専門用語の訳語を正確に選択することが求められます。このように特許文の翻訳は大変困難なため、完璧な翻訳を目指すのでなく、多少の不自然さを許容しても通じる翻訳の実現が目指されています。
NICTは、特許などの長文の自動翻訳技術の高精度化を目指して統計翻訳技術の高度化に取り組んでおり、昨年11月には、研究成果を活用した中国語から日本語への自動翻訳の事業化について、報道発表しました。