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東日本大震災による被災家屋の“電磁波計測ケーススタディ集”を提供開始

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2013年2月4日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)は、東日本大震災後の平成23年度、地震動により被災した建造物を抽出し、“マイクロ波 ・ ミリ波 ・ テラヘルツ波 ・ 近赤外光”を用いた非破壊センシングによる調査を実施しました。このたび、その実測データを可視化処理したケーススタディ集がまとまりましたので、2月12日から建築・土木・電磁波等の専門家向けに提供を開始します。

なお、提供開始に先立ち、2月7日(木)、8日(金)パシフィコ横浜で開催される「震災対策技術展」にて公開します。

背景

NICTは電磁波を用いた“非破壊センシング技術”を研究しています。非破壊センシングは、建造物の壁などを壊さずに内部の状態を見る技術で、外見では分からない構造部の劣化状況を確認でき、建物の健全性の診断等に応用できます。

今回公開するケーススタディ集の特徴とその用途
計測結果の一例(マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波での計測例)

計測結果の一例
(マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波での計測例)

NICTは、平成23年度、東日本大震災の地震動によって被害を受けた可能性のある建造物に対し、様々な周波数の電磁波で実測する取組を実施しました。今回公開する“ケーススタディ集”は、実災害により破損している可能性のある建造物を、マイクロ波から近赤外光までの非常に広い周波数領域を用いて計測(フルスペクトルセンシング)した、前例のないものです

本ケーススタディ集は、今後、例えば、「○○構造の建造物の △△部分の破損を調べるためには、□□の測定手法で計測するべきである。」といった指針として、建造物の診断手法の確立に寄与するものと考えております。

提供するケーススタディ集の概要

●測定建造物:鉄筋コンクリート建造物、木造モルタル家屋
●測定周波数:マイクロ波(1~5GHz)、ミリ波(100GHz)、テラヘルツ波(0.1~1.5THz)、近赤外光(100THz~)
●提供方式 :CD-ROM
●提供内容 :マニュアル及び各現場写真・計測結果・注釈等を記載したPDFファイル 計315ページ
●提供対象者:電磁波計測・土木・建築関係者、大学等研究者、自治体関係者
●提供開始日:平成25年2月12日(火)
●提供価格 :無償
●申込み方法:あてに、電子メールでお申込みください。
申込みに際しましては、以下のWebサイトをご覧ください。
http://ippo.nict.go.jp/db/non-destructive-sensing/index.html

補足資料

コンクリート建造物のタイル壁と木造モルタル住宅壁の例



測定周波数と使用した測定装置



本件に関する 問い合わせ先

社会還元促進部門 知的財産推進室

滝澤 修、 澤田 史武、 栗原 則幸
Tel:042-327-6950  
Fax:042-327-6659
E-mail:

取材依頼及び広報 問い合わせ先

広報部 報道担当

廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: