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多言語音声翻訳アプリ “VoiceTra4U-M” を7月18日 iPhone向けに一般公開しました。
23言語(うち音声入力17言語)に対応、世界人口の約95%をカバー!

~日本発のネットワーク型音声翻訳の標準通信プロトコルを国際研究共同体(U-STAR)で世界に展開~

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2012年7月19日

独立行政法人 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)のMASTARプロジェクトは、世界23か国、26の研究機関と連携した研究共同体「ユニバーサル音声翻訳先端研究コンソーシアム」(以下「U-STAR」、代表:NICT)において、国際連携による自動音声翻訳システムの研究開発を進めています。

このたび、U-STARでは、NICTが国際標準化したネットワーク型音声翻訳通信プロトコルを用いて、世界人口の約95%をカバーする「多言語音声翻訳システム」(2012年6月現在:23言語、うち音声入力17言語)を構築しました。このシステムの実証実験を行うため、7月18日、iPhone向けアプリ"VoiceTra4U-M"を一般公開しました。

"VoiceTra4U-M"の
"VoiceTra4U-M"の
アイコン(左) と 起動画面(右)

NICTの呼びかけにより、研究共同体「U-STAR」には、現在23か国・26機関が加盟し、23言語もの自動音声翻訳技術の研究が行われています。このたび、このU-STARが一体となって「多言語音声翻訳サービスを提供するシステム」を開発しました。開発には、2010年にNICTが国際標準化(ITU-T勧告書F.745及びH.625に準拠)した技術を用いました。本システムは、加盟機関の音声翻訳サーバを、ネットワーク型音声翻訳通信プロトコルで相互接続し、クライアントアプリケーションを介して実現したものです。

7月18日、このシステムの実証実験として、23言語・5人で・同時に会話ができる音声翻訳アプリ“VoiceTra4U-M”をiPhone向けに一般公開しました。特に、翻訳・通訳の需要が高まるであろうロンドン五輪の開催期間中は、この“VoiceTra4U-M”を利用して、より多くの方に言語の壁を越えたコミュニケーションをとっていただきたいと期待しています。
“VoiceTra4U-M”の利用方法は、補足資料をご参照ください。)


◆アプリの入手方法: AppStoreで、アプリ名 “VoiceTra4U-M”と入力し検索してください。
◆サポートページ: http://www.ustar-consortium.com/app_ja/app.html
◆公開期間: ロンドンオリンピック期間を含む2012年7月18日~2013年3月31日(予定)
◆公開地域: iPhoneが利用可能な全世界の地域
◆その他: 本アプリケーションは無料でダウンロードできますが、ご利用いただくための通信料は、ご利用者の負担となり、加入条件によっては高額になる場合がありますので、ご注意ください。
 
※ iPhoneは米国及び他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。AppStoreは、Apple Inc.の商標です。

補足資料

U-STAR

U-STAR:
The Universal Speech Translation Advanced Research Consortium (ユニバーサル音声翻訳先端研究コンソーシアム)
http://www.ustar-consortium.com/index.html


【U-STARの目的】

多言語音声翻訳を一機関で構築することは非常に困難なため、世界各国の研究機関が参加する国際研究コンソーシアム「U-STAR」 により、世界規模の音声翻訳研究ネットワークの実現を目指します。ネットワーク型音声翻訳システム構成を図1に示します。

図1.ネットワーク型音声翻訳システム構成図
(S2ST: Speech-to-Speech Translation)


ネットワーク型音声翻訳システム構成

  • 各研究機関がそれぞれ音声認識、機械翻訳、音声合成のサーバを設定、運用。
  • 実証実験の参加者は、iPhoneのアプリケーションで翻訳する言語の組み合わせを選択。
  • 参加者の選択に応じて、コントロールサーバ(NICTで運用)が必要なサーバ(各機関が運用)をネットワーク接続してサービスを提供。
  • 通信プロトコル、インターフェース等は、ITU-T標準に準拠。


【U-STARの設立と変遷】

2006年に、アジアにおける音声翻訳技術の普及のために設立したアジア音声翻訳先端研究(A-STAR)コンソーシアムが設立され、2009年に、アジア8か国言語間の音声翻訳を可能にするネットワーク型音声翻訳システムの開発に世界で初めて成功しました。国際協力による音声翻訳ネットワークの更なる拡大を目指して、2010年にA-STARコンソーシアムを発展的に解消し、ユニバーサル音声翻訳先端研究(U-STAR)コンソーシアムを新たに設立しました。

【U-STAR加盟機関】 23か国の26機関(2012年6月現在)

* オレンジ色の地域:U-STARが研究開発している言語を第一公用語として用いている地域
※ オレンジ色の地域:U-STARが研究開発している言語を第一公用語として用いている地域

Members

Agency for the Assessment and Application of Technology (BPPT), Indonesia / インドネシア語
 
Institute of Automation, Chinese Academy of Sciences (CASIA),
China / 中国語
 
Center for Development of
Advanced Computing (CDAC),
India / ヒンディ語
 
Electronics and Telecommunications Research Institute (ETRI),
Korea / 韓国語
 
Institute for Infocomm Research (I2R),
Singapore / マレー語
 
Institute of Information Technology (IOIT),
Vietnam / ベトナム語
 
National Electronics and Computer Technology Center (NECTEC), Thailand  / タイ語
 
National Institute of Information and Communications Technology (NICT), Japan / 日本語
 
Department of Information Technology and Telecom (DITT), Bhutan / ゾンカ語
 
Al-Khawarizmi Institute of Computer Science, UET (KICS-UET),
Pakistan / ウルドゥ語
 
Language Technology Kendra (LTK),
Nepal / ネパール語
 Mongolian University of Science and Technology (MUST),
Mongolia / モンゴル語
 
National University of Mongolia (NUM),
Mongolia / モンゴル語
 
University of Colombo School of Computing (UCSC),
Sri Lanka / シンハラ語
 
University of the Philippines Diliman (UPD),
Philippines / タガログ語
 
Budapest University of Technology and Economics Dept. of Telecommunications and Media Informatics (BME-TMIT),
Hungary / ハンガリー語
 
National Center of Scientific
Research (CNRS-LIMSI),
France / フランス語
 
Institute of Systems and Computer Engineering - Research and Development in Lisbon, (INESC-ID), Portugal / ポルトガル語
 
Polish-Japanese Institute of Information Technology, (PJIIT), Poland / ポーランド語
 Pázmány Péter Catholic University, (PPKE), Hungary / ハンガリー
 University of Sheffield, Department of Computer Science, Speech and
Hearing Group, (SpandH),
UK / 英語
 
KU Leuven,Dept. Electrical Engineering, division PSI-Speech, (ESAT),
Belgium / オランダ語
 
Technische Universität München, (TUM),
Germany / ドイツ語
 
Trinity College Dublin, (TCD),
Ireland / 英語
 
Center of Research for Advanced Technologies of Informatics and Information Security, (TUBITAK), Turkey / トルコ語
 
Ulm University - Institute of Communications Engineering, (UUlm) Germany / ロシア語
       

ITU-T標準

今回U-STARが開発した「多言語音声翻訳サービスを提供するシステム」は、NICTが国際標準化したネットワーク型音声翻訳通信プロトコル(ITU-T勧告書F.745及びH.625に準拠)を利用しています。

International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector:
国際電気通信連合 電気通信標準化部門
http://www.itu.int/ITU-T/

    

ITU-T勧告F.745
音声翻訳サービスに必要な機能モジュール(音声認識、機械翻訳及び音声合成)をネットワーク接続するための要求条件、アーキテクチュア等を規定
http://www.itu.int/rec/T-REC-F.745-201010-I

ITU-T勧告H.625
機能モジュール間での通信を実現するためのインタフェース、プロトコル及びデータフォーマットを規定
http://www.itu.int/rec/T-REC-H.625-201010-I

多言語・複数人(5人)会話アプリケーション “VoiceTra4U-M” の使用方法

【言語の入出力対応表】

- 対応可能 -
音声入力: 17言語
音声出力: 14言語
テキスト入力: 23言語
テキスト出力: 23言語

技術的な内容に関する問い合わせ先

ユニバーサルコミュニケーション研究所
MASTARプロジェクト

プロジェクトリーダー 隅田 英一郎
Tel:0774-98-6350 
Fax:0774-98-6955
E-mail:

取材依頼及び広報 問い合わせ先

広報部 報道担当

廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: