昨今、一般家庭やビルなど建物内の「電気・ガス・水道」のメータを制御することで、エネルギー使用量をできるだけ抑え、人にも自然にも優しい環境作りを実現する「スマートメーター」の研究開発が行われています。NICTでは特に、各種メータの自動検針・状況監視・動作制御を、「無線技術」を用いて効果的に行う「スマートメーター」の研究開発を行い、その成果を国際標準化を進める米国IEEE802.15.4g/4e規格委員会に提案し、標準ドラフト仕様として採択されてきました。
スマートメーター用途の無線周波数帯としては、当初、電子タグシステム等と同様 “ 950MHz帯 ” の割当てが想定されていました。しかし、国際協調、国際競争力の強化の観点から、昨年、総務省は新たに “ 920MHz帯 ” の割当てを公示しました。これに伴い、NICTを中心とする国内ユーザーやメーカーがIEEE802.15.4g/4e委員会に対し、当該周波数帯の明確な利用のための仕様に関する追加・変更提案を出した結果、本委員会は、日本国内におけるスマートメーター用 “ 920MHz帯 ” の割当てを含めたドラフト最終版(2012年3月の標準化完了予定)をまとめるに至りました。また、本年1月には、世界初のスマートメーター用無線の規格認証団体「Wi-SUN」が設立され、商用化が加速されています。しかし、この国際標準規格ドラフトの最終版に準拠する「スマートメーター用 無線機」の開発例はありませんでした。