情報通信研究機構(NICT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同開発し、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォームに取り付けた超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES:スマイルズ)は、絶対温度4K(-269℃)に冷却した超伝導検出器によって、これまでにない高精度の大気観測のミッションを行いました。
NICTとJAXAでは、SMILESの観測データの高い観測精度を実証するために、大気微量分子の導出精度を高めるための改良を進めるとともに、平成21年8月の研究公募によって選んだ研究グループのみに限定して、観測データの提供を行ってきました。
このたび、データの観測精度の高さが確認でき、一般の利用者向けに観測データを公開しましたのでお知らせします。今回公開するデータは、SMILESにより観測された625~650GHzの電磁波の強度を解析することによって得られた、地球大気のオゾン及び化学的に関連する塩素化合物など合計11種類の大気微量分子の高度分布です。このデータは、成層圏や下部中間圏における大気微量分子の化学的現象を精密に測定したものであり、オゾンホールに代表される成層圏オゾンの変動や地球温暖化など気候変動の解明に大きく貢献します。