NICTでは、2011年4月から、新世代ネットワークの実現等に向けた研究開発用テストベッドネットワークとして、JGN-Xを構築、運用しています。
今回の実験では、新世代に向けたネットワークの技術として開発が進んでいるOpenFlow、SDTN、SA46Tの技術を統合・多階層的に用いて、サービス条件の異なる複数の国内外ネットワークを仮想的に一つにまとめた動的オンデマンドネットワークを形成し、コンテンツ(さっぽろ雪まつり会場からのハイビジョン映像)を同時に国内外の複数拠点へ高品質にて伝送しながら、統合化した画面(GUI)からの経路制御を行うことで、広域かつ多階層ネットワークの運用技術の実検証を行いました。その際、新世代での高度運用を念頭に置き、多層化されたネットワーク内を高精度なネットワーク計測技術を用いて、複数階層にわたり、高精度に測定・分析しました。OpenFlowでは世界初のIPv4マルチキャスト配信を、Trema上で開発したアプリケーションを用いて成功しました。
また、シンガポール及びタイの研究機関と協力し、日本とシンガポール・タイ国間で接続して、ハイビジョン映像を伝送する実験を行いました。同時に、この国際協力の下、ITU-T標準IPTV技術である、LIMEを用いた各国へのVOD及び3Dライブストリーミング配信実験も実施されました。
さらに、さっぽろ雪まつり会場では、Wi-Fiを用いたスマートフォン向け映像配信実験にも成功しました。
なお、これらの実験は、補足資料に記載された実施方針を基に、別紙に記載された機関の協力、協賛を得て実施したものです。