現在の光ファイバ通信では、光信号の減衰やデータの歪みが少ない、波長1.55ミクロン帯の10テラヘルツほどの帯域が利用されています(図1)。この波長帯で効率的に光信号を利用するための研究開発は進められていますが、将来の超高速・大容量光情報通信を実現するには、このような対策だけでは不十分で、周波数資源不足が問題となっています。
そこで、NICTは、光周波数資源の新たな開拓とその効率的利用に関する研究として、広帯域ではあるものの伝送や光発生が難しく、実用化に至っていない光周波数帯域(図1)を有効に活用するフォトニクス基盤技術研究を実施してきました。