NICTが開発した地域分散無線ネットワーク(NerveNet: ナーブネット)は、基地局同士が自動的に、相互に無線接続することで構築される無線ネットワークで、災害や故障に強く、既存の携帯網や電話網が利用できなくなった場合に即時に、かつ広域に独自のネットワークを構築できます。NICTは、このたびNerveNetの実証機を開発し、参加者による操作性の検証を行うために、本訓練に投入します。
~携帯電話がつながらなくてもICカードやおサイフケータイで簡単にできる安否確認!~
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)は、平成23年10月29日(土)に開催される、平成23年度東京都・小平市・西東京市・武蔵野市・小金井市合同総合防災訓練(以下「本訓練」という)に参加します。本訓練は、震災時における都、市、各防災機関との連携の強化及び自助・共助に基づく地域防災力の向上を図ることを目的とした住民参加型の訓練です。
NICTは、本訓練において、災害により携帯電話などが利用できない状況等を想定して、NICTが開発した「地域分散無線ネットワーク(NerveNet: ナーブネット)」の小型無線基地局の実証機を小金井公園会場に設置し、無線マルチホップによる臨時ネットワークを構築します。そして、携帯電話に頼らない、避難所間の安否情報共有やメッセージ配信による情報伝達を参加者の方々に体験していただくデモを行います。
日時 | : | 平成23年10月29日(土) 9:00~12:00 |
場所 | : | 東京都立小金井公園会場(東京都小金井市関野町1-13-1) |
デモ内容 | : |
会場内にNerveNetによる仮設ネットワークを構築します。そして、災害情報端末により、ICカードを使った安否登録・確認やメッセージ配信などの操作を、参加者の方々に体験していただきます。デモでは、あらかじめ、NICTが用意するデモ用ICカードのほかに、参加者が持参したICカード乗車券(Suica、PASMOなど)、IC付き運転免許証、おサイフケータイ等を使った操作も可能です。 |
参加方法 | : |
開催時間中に直接NICTブース(補足資料:図1参照)にお越しください。事前申込み等は不要です。
|
※本訓練の全般に関しましては、東京都及び小平市、西東京市、武蔵野市、小金井市の各市による発表をご参照ください。なお、本デモは、東京都及び訓練参加4市の地域防災計画に基づく態勢等によるものではありません。
補足資料
NerveNetの基地局を、小金井公園内の9箇所(図1参照)に設置します。また、災害情報端末を、小金井市総合体育館内の避難所運営訓練会場及び展示・体験・応急復旧訓練会場の2箇所にあるNICTブース(図1参照:予定)に設置し、安否確認及びメッセージ配信などの操作を、参加者の方々に体験していただきます。
用語 解説
NerveNetは、既存の携帯電話基地局を使わずに、複数の専用の基地局同士が無線で自動的にマルチホップでつながり、独自のネットワークを構成できる無線システムです。NerveNetの各基地局が設置されると、電波が届く周辺の基地局を探して自動的に無線接続を行います。そして、電波が直接届かない遠くの基地局に至るまでのルートを自動探索し、複数ルートの記憶を行います。そのため、一部のルートで通信障害が発生しても、直ちに別のルートに自動的に切り替えられるという災害に強い特長があります。このような特長から、NerveNetは、平時から設置運用する防災通信システムとしてだけでなく、例えば、災害発生後の被災地に臨時基地局を設置する場合の仮設システムとしても威力を発揮します。
また、基地局自身がデータベースを搭載し、基地局間でデータベースを同期させる機能を持ちます。これにより、ユーザの必要とする情報がネットワークに接続されたサーバ上だけでなく、ネットワーク上に分散して存在することになり、災害等による通信障害が発生しても、接続可能な基地局から必要な情報を取得できる特長があります。
※ | おサイフケータイは、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標です。 |
※ | Suicaは、東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です。 |
※ | PASMOは、株式会社パスモの登録商標です。 |
※ | FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。 |
※ | Edyは、ビットワレット株式会社の登録商標です。 |
NICTデモ訓練 参加に関する問い合わせ先
滝澤 修
Tel: 042-327-7461
E-mail:
取材依頼及び広報 問い合わせ先
廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: