現在の携帯電話は、端末と基地局との間の無線通信区間を暗号化して盗聴を防止していますが、基地局で一旦復号された後、その先の携帯電話通信事業者が運営する基地局間有線通信区間や事業者間を接続するネットワークにおいて盗聴される可能性があります。
確実に盗聴を防止するには、端末で暗号化し相手方端末で復号する方法により、相対する端末間の全区間で暗号化を行うことが有効ですが、こうした暗号化通信を行うためには、端末同士で暗号鍵を安全に共有する技術が不可欠です。
今回、量子鍵配送を用いて暗号鍵を端末間で共有し、この暗号鍵を用いて端末間の全ての区間で通話を暗号化する携帯電話ソフトウェアを開発しました。量子鍵配送と携帯電話とを連携させることにより、通話の解読が原理的に不可能な携帯電話ソフトウェアの開発は世界で初めてです。