言葉の壁は今日のボーダーレス社会において大きな課題です。この壁を克服するため、現在NICTでは、内閣府・総務省と共同で社会還元加速プロジェクト「言語の壁を越える音声コミュニケーション」をMASTARプロジェクト (プロジェクトリーダー: 中村 哲)において進めています。
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)は、21言語を対象としたiPhone用の音声翻訳・テキスト翻訳ソフトウェアを開発し、世界規模で公開致しました。
音声入出力で会話ができる音声翻訳ソフトウェア “VoiceTra” と、文字入力の翻訳ソフトウェア “TexTra” の2つを、App Store(アップストア)からダウンロードできます。
NICTで、これまで研究開発を行ってきた多言語の音声翻訳技術の成果として、21言語を対象とした音声翻訳、テキスト翻訳のソフトウェアを、性能評価・ユーザビリティ調査を目的として、iPhone用に世界規模で公開しました。
音声入出力で会話ができる音声翻訳のソフトウェアと、文字入力の翻訳ソフトウェアの2つのiPhoneソフトウェアを、App Store(アップストア)からダウンロードできます。翻訳処理は、ネットワーク型で構成されており、サーバーに送られて高速、高精度に処理された後、 iPhoneに結果が出力されます。
App Storeに登録された名前は“VoiceTra”(音声翻訳 by NICT)と“TexTra”(テキスト翻訳 by NICT)です。iPhoneは世界で約5000万台が使われており、3G又はWiFiを介して世界中で利用できます。モニターは本ソフトウェアを無償で 利用でき、今回の性能評価・ユーザビリティ調査は本年12月末までを予定しています。
本公開以後、(1)実際の利用データを取り込んで翻訳品質をあげること、(2)音声翻訳技術を多数の方に知っていただき活用の裾野を広げること、(3)民間事業者と協力して事業化することの3点を目標に、NICTで研究開発した技術の社会還元を加速していきます。
*App Store(アップストア)は、Apple Inc.が運営する、iPhone、iPod touch、iPad向けソフトウェアのダウンロード サービスです。携帯電話とWi-Fiに対応しており、どこからでもダウンロードできます。
*iPhone、iPod touch、iPad、その他記載している商品名は米国及び他の国々で登録されたApple Inc.の登録商標です。
○テキスト翻訳ソフトウェア“TexTra”
iPhone 3G、3GS、4で利用可能です。また、マイクが必要ないのでiPod touchでもご利用可能です。
iPhoneのOS 3.0でキーボード入力がサポートされていないヒンディ語、ベトナム語を除く19言語から、20言語への翻訳が可能です。
- 旅行会話を対象としています。
- 音声翻訳ソフトウェアの性能としては、おおよそTOEIC600点の語学力を持った人に相当します。
- テキスト翻訳ソフトウェアの特徴は、多言語対応であると同時に高品質な点にあります。次のグラフは、日本語から他の20言語への翻訳について、広く利用されている多言語ソフトウェア(淡い灰色で表示)とNICTのソフトウェア(濃い灰色で表示)と、翻訳率で比較したものです(縦軸が翻訳率、横軸が翻訳先の言語です)。
<対象21言語>
日本語、英語、北京語、台湾華語、ドイツ語、フランス語、デンマーク語、オランダ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ブラジル・ポルトガル語、ロシア語、アラビア語、ヒンディ語、インドネシア語、マレー語、タイ語、タガログ語、ベトナム語、韓国語。
報道担当 廣田 幸子
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プロジェクトリーダー 中村 哲
言語翻訳グループリーダー 隅田 英一郎
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