IPv6はネットワークに接続された様々なデバイス、ソフトウェアの高度な相互接続を実現する一方で、現在普及しているIPv4のように長期にわたって検証されてきた通信プロトコルではないために、IPv4のアドレス枯渇を目前にして、家庭内、企業内ネットワークは、これまでにない様々なセキュリティリスクにさらされようとしています。
インターネットの普及により、様々な情報機器やサービスが相互に接続し利用されることが一般的になった現在においては、一部の企業だけがこのIPv6への移行に伴うセキュリティリスクの影響を受けるのではなく、多くの企業・公共の活動や一般家庭においても、インターネットからの様々な攻撃、ウイルスによる被害を受ける可能性があります。
IPv6の使用については、これまで相互接続性確認、プロトコル検証などの基礎的な範囲での検討を「IPv6普及・高度化推進協議会」(注2)が中心となって実施してきましたが、IPv6の具体的な利活用を想定したセキュリティ機能、実装手法、性能評価などに関わる実環境検証については、多くの検討の余地を残しています。
今後ますますIPv6の利用が進む状況の中で、IPv4/IPv6の併用、IPv6への移行を見据えたIPv6ネットワーク環境において、どのようなリスクが内在し、そのための技術的対策をどのように考えるべきかという調査研究により、これまでIPv4で培った安心・安全技術の知見を活かしつつ、IPv6 における新たな脅威の発掘、対策の確立が望まれます。こうした背景により、通信、ネットワーク、セキュリティ、ハードウェア、ソフトウェア関連の10社・団体が発起人となり、IPv6技術検証協議会を設立し、IPv6利用環境における安全で安定したIT環境の実現を目指し、特にセキュリティ分野を中心とした技術検証を推進します。
会長:
榎並 和雅〈えなみ かずまさ〉(独立行政法人 情報通信研究機構 理事)
副会長:
加治佐 俊一(マイクロソフト株式会社 業務執行役員 最高技術責任者)
理事:
佐藤 重雄(F5ネットワークスジャパン株式会社 テクノロジー ディレクター)
中尾 康二(KDDI株式会社 運用統括本部 情報セキュリティフェロー)
福智 道一(ソフトバンクBB株式会社 技術統括 ネットワーク本部 副本部長)
加藤 俊之
(タレスジャパン株式会社 インフォメーションシステムセキュリティー事業部 事業部長)
大久保 一彦
(日本電信電話株式会社 技術企画部門 次世代ネットワーク推進室 セキュリティ戦略担当部長)
中井 一
(株式会社バッファロー 取締役 事業本部 ブロードバンドソリューションズ事業部長、市場開発事業部長)
村田 眞人
(ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社 SPテクニカルエンゲージメント本部 本部長)
事務局長:
田丸 健三郎(マイクロソフト株式会社 技術統括室 本部長)
顧問:
高倉 弘喜(名古屋大学 情報基盤センター 教授)
発起人企業・団体:
- 独立行政法人 情報通信研究機構
- F5ネットワークスジャパン株式会社
- KDDI株式会社
- ソフトバンクBB株式会社
- タレスジャパン株式会社
- 日本電信電話株式会社
- 株式会社バッファロー
- パロアルトネットワークス合同会社
- ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
- マイクロソフト株式会社