NICTでは、臨場感あふれる映像の伝送を実現するために、衛星通信、地上系ネットワーク及び映像伝送の各分野において超高速映像伝送システムの研究開発を進めてきました。このたび、各分野における最先端の研究成果を連携して構築した超高速映像伝送実験系により、国内で最適に観測できる地点で撮影する皆既日食を臨場感あふれる映像でライブ配信することを可能にしました(参照:補足資料)。
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、最先端の研究成果を駆使した超高速映像伝送実験系を構築し、7月22日(水)に我が国で観測される皆既日食の映像をライブで配信する実験を行います。
本実験系においては、①世界最高速のギガビット級の通信速度を誇る超高速インターネット衛星「きずな」、②多様な超高速データ伝送実験が可能な研究開発テストベッドネットワーク 「JGN2plus」及び③ハイビジョン映像の4倍の画素数を有する4K映像の「超高精細全天映像伝送システム」等を連携させ、臨場感あふれる映像をライブ配信します。本実験系を用いて、以下の2つの映像配信実験を行う予定です。
1. 硫黄島からのハイビジョン日食映像の配信実験
2. 奄美大島からの超高精細全天日食映像の配信実験
上記の各実験は、現地の天候等によっては日食の映像伝送が行えない場合もございますので、あらかじめご了承ください。
補足資料
用語解説
アジア・太平洋地域のデジタル・ディバイドの解消、衛星利用の高度化等に必要なギガビット級の超高速衛星通信技術の確立を目的に、NICT及びJAXAが開発した研究開発衛星。平成20年2月23日にH-IIA ロケットで打ち上げられ、平成20年6月30日からは定常運用が開始されている。衛星通信能力として、「きずな」に搭載されているNICT開発の再生中継器を用いることで、小型地球局(VSAT)を用いて最大155Mbpsのメッシュ接続による通信が可能。また、1.1GHz帯域幅のベントパイプ型の衛星中継モードを用いれば、世界最高速の1.2Gbps伝送が可能。
NICTが運用する超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。JGN(Japan Gigabit Network)からJGN2へと発展し、平成20年4月よりJGN2plusとして運営されている。全国59のアクセスポイントのほか、米国、タイ、シンガポールなどへの超高速ネットワーク実験環境を提供している。
水平解像度がおおよそ4,000画素である映像。ハイビジョン映像(水平解像度1,920、垂直解像度1,080画素)の4倍(4画面分)の解像度を有する映像(水平解像度3,840画素(約4,000画素)、垂直解像度2,160画素)であり、「4K2K映像」ともいう。
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