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皆既日食(7月22日)の映像配信実験

~ NICTの技術を駆使した超高速映像伝送実験系によるライブ映像配信 ~

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2009年6月12日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、最先端の研究成果を駆使した超高速映像伝送実験系を構築し、7月22日(水)に我が国で観測される皆既日食の映像をライブで配信する実験を行います。

本実験系においては、①世界最高速のギガビット級の通信速度を誇る超高速インターネット衛星「きずな」、②多様な超高速データ伝送実験が可能な研究開発テストベッドネットワーク 「JGN2plus」及び③ハイビジョン映像の4倍の画素数を有する4K映像の「超高精細全天映像伝送システム」等を連携させ、臨場感あふれる映像をライブ配信します。本実験系を用いて、以下の2つの映像配信実験を行う予定です。

1. 硫黄島からのハイビジョン日食映像の配信実験

2. 奄美大島からの超高精細全天日食映像の配信実験

NICTが構築する超高速映像伝送実験系について

NICTでは、臨場感あふれる映像の伝送を実現するために、衛星通信、地上系ネットワーク及び映像伝送の各分野において超高速映像伝送システムの研究開発を進めてきました。このたび、各分野における最先端の研究成果を連携して構築した超高速映像伝送実験系により、国内で最適に観測できる地点で撮影する皆既日食を臨場感あふれる映像でライブ配信することを可能にしました(参照:補足資料)。

ライブ映像配信の概要

1. 硫黄島からのハイビジョン日食映像の配信実験
NICTは、硫黄島(東京都小笠原村)で観測される皆既日食を、超高速インターネット衛星「きずな」と「JGN2plus」を使って、ハイビジョン映像で配信する実験を、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び自然科学研究機構国立天文台と共同で行います。詳細は、本日NICTより発表する報道資料「7.22超高速インターネット衛星「きずな」による皆既日食の映像伝送について」をご覧下さい。
 
2. 奄美大島からの超高精細全天日食映像の配信実験
NICTは、奄美大島(鹿児島県奄美市)で観測される皆既日食を、ハイビジョン映像の4倍の画素数で撮影した「全天映像」で「JGN2plus」を使い、国内3会場の全天ドームシアターに配信し上映する実験を、超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)と共同で行います。詳細は、本日NICTより発表する報道資料「7.22皆既日食を4K超高精細全天映像でライブ伝送上映」をご覧下さい。

注意事項

上記の各実験は、現地の天候等によっては日食の映像伝送が行えない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

補足資料

図 NICTが構築する超高速映像伝送実験系
図 NICTが構築する超高速映像伝送実験系

用語解説

超高速インターネット衛星WINDS(きずな)

アジア・太平洋地域のデジタル・ディバイドの解消、衛星利用の高度化等に必要なギガビット級の超高速衛星通信技術の確立を目的に、NICT及びJAXAが開発した研究開発衛星。平成20年2月23日にH-IIA ロケットで打ち上げられ、平成20年6月30日からは定常運用が開始されている。衛星通信能力として、「きずな」に搭載されているNICT開発の再生中継器を用いることで、小型地球局(VSAT)を用いて最大155Mbpsのメッシュ接続による通信が可能。また、1.1GHz帯域幅のベントパイプ型の衛星中継モードを用いれば、世界最高速の1.2Gbps伝送が可能。

研究開発テストベッドネットワーク「JGN2plus」

NICTが運用する超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。JGN(Japan Gigabit Network)からJGN2へと発展し、平成20年4月よりJGN2plusとして運営されている。全国59のアクセスポイントのほか、米国、タイ、シンガポールなどへの超高速ネットワーク実験環境を提供している。

4K映像

水平解像度がおおよそ4,000画素である映像。ハイビジョン映像(水平解像度1,920、垂直解像度1,080画素)の4倍(4画面分)の解像度を有する映像(水平解像度3,840画素(約4,000画素)、垂直解像度2,160画素)であり、「4K2K映像」ともいう。

全天映像

魚眼レンズ等を用いて、天空全体(半球面)を撮影した映像。全天周映像とも呼ぶ。全天映像の上映には、通常、魚眼レンズを装着したプロジェクタ(投影機)を用いて、ドーム状のスクリーンに投影させる。

本報道資料に関する問い合わせ先

独立行政法人 情報通信研究機構
総合企画部 広報室
Tel:042-327-6923