NICTは平成14年11月にNICTアジア研究連携センター(以下「ARC」という。所長:藤瀬 雅行)の傘下にタイ自然言語ラボラトリー(以下「TCL」という。ラボ長:井佐原 均)を設置し、タイ語をはじめとする東南アジア言語の言語資源や処理技術の開発を進めてきました。開発したインターネット上の共同作業支援システム(KUI: Knowledge Unifying Initiator)は、タイ王国科学技術省をはじめ、タイ国内で活用されています。
今回、NICTは、東南アジア諸国における日本の産業活動を支援し、同時に当該国における情報化を支援するため、情報通信分野に関する共同研究開発に関して、泰日工業大学と合意いたしました。 在タイの日本政府関係者、日本企業関係者や、タイの政府機関・大学からの関係者参加の中、TNIにおいて8月1日(土)に、その調印式が開催されました。
この合意の第1段階として、日本が特に競争力を持つ自動車産業に関する専門用語の辞書の開発や、日本やタイの文化に関する情報の電子化における協力を行います。また、日本型技術のタイへの技術移転として、NICTの研究者がTNIにおいて情報通信技術の講義を行う、TNIの教員がNICTに滞在し共同研究を行う、TNIの学生がNICTに滞在し技術教育を受ける、などの人的交流を進めます。
今回の協力は、NICTがタイにTCLを設置し、自然言語処理に関して現地機関と密接な協力関係を築いてきたことによって実現したものであり、調印式にあわせて開催されたNICTとTNIとの会談において、NICTとTNIはタイにおける情報通信サービスの実現に向けて、より広範な分野を対象に、協力関係を一層、密にすることで合意しました。