日本の光ファイバーブロードバンドサービスは世界一の水準に達していますが、これらのサービスを支える通信インフラ中の光ファイバーを流れる通信容量への需要も急激に増え続けており、これに対応するために、多色の光を束ねる波長多重光通信(WDM)が普及しています。ところが容量の増設に伴い光ファイバー中の光パワーが急増し、近い将来、限界に達することが重大な問題となっています。
限界に達した光ファイバーでは、微細なゴミやわずかな欠陥でコア(中芯)の温度が急激に上昇(数千℃以上)し、“ファイバーフューズ”と呼ばれるプラズマ化現象が生じて、光ファイバーを連続的に破壊します。この破壊は秒速数メートルで進むので、瞬時に対応しないと、光ファイバーや高価な通信機器が破壊され更には広域のケーブル火災につながる恐れがありました。しかし、これまで遠隔で検知する実用的な手段がありませんでした。