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国立大学法人大阪大学と独立行政法人情報通信研究機構との脳情報通信分野における融合研究に関する基本協定の締結

世界最高水準の脳計測技術の実現
「いつでも、どこでも、誰にでも、こころも」伝える人にやさしい
情報通信を目指す産学官連携の脳情報通信融合研究プロジェクトを始動

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2009年1月5日

国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。総長:鷲田 清一)と独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、「情報通信分野における連携推進に関する協定」(平成19年2月22日締結)の下、生体情報通信分野のうち、主として脳情報通信(脳とのかかわりにおける情報通信)の分野における融合研究プロジェクトを開始します。(詳細:補足資料参照)

今般、両者間で「脳情報通信分野における融合研究に関する基本協定」を締結するに至り、平成21年1月7日(水)にNICTにおいて調印式を行います。

大阪大学とNICTは従来から、フォトニックネットワーク技術、バイオICT、ナノICT等に関する共同研究、連携大学院協定、研究員の受け入れなど多様な連携を実施し、数多くの成果を挙げてきました。このたび両機関は、脳情報通信分野における基礎から応用展開までの研究開発を一体的かつ効果的に実施するため、産学官の他の機関との連携も強化しつつ融合研究プロジェクトを開始し、脳情報通信の研究開発の流れを一気に加速させ、「脳の機能に学んだ新世代のネットワーク」や「「こころ」を伝えることができる情報通信」の実現を目指します。

補足資料

1.背景

大阪大学では生体メカニズムの情報システムやロボットへの応用を目指す学際的な研究開発プロジェクトである「ゆらぎプロジェクト」など、情報科学と医学・生命科学等の他の研究分野の知見を融合した脳情報通信のキーとなる研究にいち早く取り組み、工学、情報科学、物理学的アプローチを取り入れた世界的にもユニークな脳機能研究を、組織的に展開しています。
一方、NICTでは、脳情報通信に関して、政府方針に基づき、第2期中期計画の下、非侵襲脳活動計測の統合・高度化、脳活動計測による客観的評価指標の構築など、脳のメカニズムを解明し、それを未来の情報通信に応用するための技術の研究開発に取り組んでいます。
このような中で、特に、学際的な研究分野である脳情報通信分野において、脳機能の原理解明から、その社会への応用を図る上で、科学(基礎的研究)と工学(応用的研究)のそれぞれの領域で高い知見を有する機関が、研究開発を協働して行うことが益々重要となっています。
このため、「情報通信分野における連携推進に関する協定」(平成19年2月22日締結)の下、これまで実施してきた大阪大学とNICTとの連携をさらに推進するとともに、産学官の他の機関との連携も強化しつつ、脳情報通信分野における基礎から応用展開までの研究開発を一体的かつ効果的に実施するため、融合研究プロジェクトをスタートするものであり、今般、その確実かつ適切な実施を確保するため、本協定の締結を行うものです。

2.協定 ・ プロジェクト概要

(1)  基本理念

 [1]  貢献原則
我が国の、さらには世界のトップクラスの叡智の結集を図り、また、産学官の連携・協力を一層強化することによって、最大限の成果を実現し、科学技術の発展はもとより、国民生活の向上及び経済社会の発展に寄与するとともに、人類の福祉の向上に貢献します。
       
 [2]  オープン原則
大阪大学とNICTとの連携を軸に、グローバルかつ多分野の知見の融合による開かれた先端的融合研究の実現を目指すとともに、その成果を広く世界に展開します。
      
[3]  統一原則
脳情報通信分野にかかわる政府の指針を強く認識し、他の研究機関との適切な役割分担、効果的な連携の下、その具現化に主要かつ主体的な役割を果たすことを目指します。
 
[4]  尊厳原則
生命の尊厳の重要性を常に認識して研究を行います。
        
[5]  育成原則
プロジェクトの実施を通じて、脳情報通信研究を担う人材の育成に貢献します。
      
(2)  目的 ・ 研究テーマ
[1]   脳の機能に学んだ新世代のネットワークの実現
 膨大な数の神経細胞を有する極めて複雑な組織体である人体を、様々な環境の中で制御している脳の機能を解明することにより、爆発的に増大するトラフィックニーズに対応でき、拡張性、頑強性、自律性、環境適応性、自己修復性等に優れ、かつ、極めて低エネルギー消費の新世代のネットワークの実現に寄与します。
      
[2]  「こころ」を伝えることができる情報通信の実現
人の目、耳といった器官を通じることを前提として、視覚情報や聴覚情報の伝達を行う現在の情報通信の方法では伝えきれないアイデア、イメージ、感動、感情など様々な心の状態を情報として伝えられるようにするため、脳の働きと伝えたい情報の相互関係を計測・分析し、把握します。
       
[3] 新しい情報通信パラダイムの創出
これら脳情報通信に関する研究開発により、「いつでも、どこでも、誰にでも、こころも」伝える新たな情報通信パラダイムの創出を目指します。
      
(3)  プロジェクトの体制
大阪大学とNICTとの連携を軸に、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)等脳情報通信の分野において優れた業績を挙げている研究機関における研究者のみならず、医学、工学等の脳情報通信の分野以外の研究者等の参画を積極的に求め、脳情報通信分野の先端的融合研究を実施します。
      
(4)  世界最高水準の脳計測技術の実現
脳の作用をより精密に把握し、脳情報通信の研究開発を加速させるため、最先端の高機能な脳計測装置等を整備し、脳内の神経活動や化学物質代謝を直接計測できる世界最高水準の脳計測技術の実現を目指します。

3.今後の予定

大阪大学とNICTとの間で、プロジェクトの運営・研究体制、具体的な研究項目やプロジェクトの実施のために必要な研究環境等について検討を行い、既存の施設・設備を有効に活用しつつ、大阪大学吹田キャンパス内において、予備的な研究作業や共同研究をスタートさせる予定です。

  • 当面、具体的なプロジェクトの形成に向けて予備的に調査   
  • 産学官から参画を得ながら徐々にプロジェクトの体制を整備   
  • 今後3年を目途に、脳情報通信の研究開発における基盤技術となる世界最高水準の脳計測技術を確立   
  • 融合研究を本格化
   
以上

<大阪大学 問合せ先>

(広報に関して)
総務部評価・広報課 喜田
TEL:06-6879-7150
E-mail:

(協定に関して)
産学連携推進本部 総合企画部 正城
TEL / FAX:06-6879-4207

<NICT 問合せ先>

(広報に関して)
総合企画部 広報室 青木、廣田
TEL:042-327-6923
E-mail:

(協定に関して)
総合企画部 企画戦略室 斉藤、安井
TEL:042-327-7437 / 6896