大阪大学では生体メカニズムの情報システムやロボットへの応用を目指す学際的な研究開発プロジェクトである「ゆらぎプロジェクト」など、情報科学と医学・生命科学等の他の研究分野の知見を融合した脳情報通信のキーとなる研究にいち早く取り組み、工学、情報科学、物理学的アプローチを取り入れた世界的にもユニークな脳機能研究を、組織的に展開しています。
一方、NICTでは、脳情報通信に関して、政府方針に基づき、第2期中期計画の下、非侵襲脳活動計測の統合・高度化、脳活動計測による客観的評価指標の構築など、脳のメカニズムを解明し、それを未来の情報通信に応用するための技術の研究開発に取り組んでいます。
このような中で、特に、学際的な研究分野である脳情報通信分野において、脳機能の原理解明から、その社会への応用を図る上で、科学(基礎的研究)と工学(応用的研究)のそれぞれの領域で高い知見を有する機関が、研究開発を協働して行うことが益々重要となっています。
このため、「情報通信分野における連携推進に関する協定」(平成19年2月22日締結)の下、これまで実施してきた大阪大学とNICTとの連携をさらに推進するとともに、産学官の他の機関との連携も強化しつつ、脳情報通信分野における基礎から応用展開までの研究開発を一体的かつ効果的に実施するため、融合研究プロジェクトをスタートするものであり、今般、その確実かつ適切な実施を確保するため、本協定の締結を行うものです。
世界最高水準の脳計測技術の実現
「いつでも、どこでも、誰にでも、こころも」伝える人にやさしい
情報通信を目指す産学官連携の脳情報通信融合研究プロジェクトを始動
国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。総長:鷲田 清一)と独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、「情報通信分野における連携推進に関する協定」(平成19年2月22日締結)の下、生体情報通信分野のうち、主として脳情報通信(脳とのかかわりにおける情報通信)の分野における融合研究プロジェクトを開始します。(詳細:補足資料参照)
今般、両者間で「脳情報通信分野における融合研究に関する基本協定」を締結するに至り、平成21年1月7日(水)にNICTにおいて調印式を行います。
大阪大学とNICTは従来から、フォトニックネットワーク技術、バイオICT、ナノICT等に関する共同研究、連携大学院協定、研究員の受け入れなど多様な連携を実施し、数多くの成果を挙げてきました。このたび両機関は、脳情報通信分野における基礎から応用展開までの研究開発を一体的かつ効果的に実施するため、産学官の他の機関との連携も強化しつつ融合研究プロジェクトを開始し、脳情報通信の研究開発の流れを一気に加速させ、「脳の機能に学んだ新世代のネットワーク」や「「こころ」を伝えることができる情報通信」の実現を目指します。
補足資料
(1) 基本理念
[2] 「こころ」を伝えることができる情報通信の実現
大阪大学とNICTとの間で、プロジェクトの運営・研究体制、具体的な研究項目やプロジェクトの実施のために必要な研究環境等について検討を行い、既存の施設・設備を有効に活用しつつ、大阪大学吹田キャンパス内において、予備的な研究作業や共同研究をスタートさせる予定です。
- 当面、具体的なプロジェクトの形成に向けて予備的に調査
- 産学官から参画を得ながら徐々にプロジェクトの体制を整備
- 今後3年を目途に、脳情報通信の研究開発における基盤技術となる世界最高水準の脳計測技術を確立
- 融合研究を本格化
<大阪大学 問合せ先>
(広報に関して)
総務部評価・広報課 喜田
TEL:06-6879-7150
E-mail:
(協定に関して)
産学連携推進本部 総合企画部 正城
TEL / FAX:06-6879-4207
<NICT 問合せ先>
(広報に関して)
総合企画部 広報室 青木、廣田
TEL:042-327-6923
E-mail:
(協定に関して)
総合企画部 企画戦略室 斉藤、安井
TEL:042-327-7437 / 6896