NICTは農研機構と連携し、農業特化型生成AIモデルの構築へ

2025年11月7日

国立研究開発法人情報通信研究機構

ポイント

・情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー)は、強みである言語資源および情報処理技術を、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が農業分野で培った知識と実証基盤と組み合わせて、信頼性の高い農業特化型生成AIモデルを共同で構築します。
・本取り組みで、農業特化型生成AIの精度と実用性の高度化が期待されます。

NICTは、農研機構と、農業技術の普及や営農の効率化を支える取り組みとして、地域や作物の特性に応じて活用できる信頼性の高い農業特化型生成AIモデルの構築に向けた連携を開始しました。

これまでNICTは、約20年にわたって収集した700億ページを超える日本語中心のWebデータから膨大で高品質な日本語学習データを整備し、日本語特化型の大規模言語モデルを試作するとともに、AIの安全性や信頼性の向上に貢献する研究開発を進めてきました。一方、農研機構は、農業技術の普及や農業データの体系化を通じて関連知識を蓄積し実証基盤を築いています。

これらの両機関の強みを生かし、NICTの言語資源および情報処理技術を農研機構が農業分野で培った知識と実証基盤と組み合わせて、地域や作物に応じて生産現場で活用できる信頼性の高い農業特化型生成AIモデルを構築します。また農研機構は、このモデルを組み入れたシステムの試作版を開発し、営農支援等への実証を進めるほか、地域や作物ごとの追加学習を行い、現場での幅広い活用を目指します。

本取り組みにより、農業特化型生成AIの精度と実用性が一層高まることが期待されます。また、本技術活用により、農業技術の利用や普及が促進され、現場の負担軽減、営農に関わる意思決定や情報提供の効率化も進むことが見込まれます。日本発の特化型AIモデルとして基盤を確立することで、農業と情報通信の両分野における技術革新と社会実装を推進します。

本件に関する問い合わせ先

ユニバーサルコミュニケーション研究所
データ駆動知能システム研究センター