TOPPANホールディングス・NICT・ISARA、認証局における耐量子計算機暗号へのシームレスな移行技術を実証
現行暗号から耐量子計算機暗号へ段階的な移行が可能に

背景
実証実験の概要
- 実施期間:2025年10月〜2026年3月(システム開発期間を含む)
- 実施場所:TOPPAN内の量子暗号ネットワークテストベッド接続拠点
- 検証項目:ISARAの「第2ルート証明書」を用いてICカード認証基盤を構築し、以下の3つの移行フェーズにおいて、暗号化通信プロトコル接続および相互認証(クライアント/サーバー)の動作を検証しました。本実証では、テストベッド上に閉じられたネットワークで認証を可能とするプライベート認証サーバーを設置し、本サーバーと接続することで、PQC CARD® による認証を行い、認証成功後、量子暗号による秘匿通信が可能なアプリケーションへ接続する構成としています。この時使用したPQCは、NISTが策定・公表したML-DSA等の標準化アルゴリズムに準拠しています。
<フェーズ1>レガシー環境(現行暗号のみ)
<フェーズ2>ハイブリッド移行環境(現行暗号とPQCのハイブリッド)
<フェーズ3>完全PQC環境 - 検証結果:移行段階においても、安全性が維持され、既存のICカードシステムから、システム停止を伴わずにスムーズにPQC環境へ移行可能であることを確認しました。また、量子暗号ネットワークと連携することで、データ送受信者間での盗聴を不可能にする量子鍵配送と、利用者の真正性を保証するPQC認証を組み合わせた多層防御を実現しました。
3者の役割
TOPPANホールディングス:ICカードシステムの開発・提供、量子暗号ネットワークテストベッドへの参画
NICT:本実証の全体構成、量子暗号ネットワークテストベッドの構築・提供
ISARA:第2ルート証明書の開発、技術提供
今後の目標
用語解説
公開鍵認証基盤 インターネット上で安全な通信を行うために「公開鍵暗号技術」と「電子証明書」を用いて、情報の暗号化、電子署名、本人認証を一元的に管理する仕組みです。 元の記事へ
ECDSA 公開鍵暗号方式ECCベースの電子署名アルゴリズム。同じく公開鍵暗号方式RSAと比較して約10分の1の鍵サイズでありながら同等の安全性を持つという特長があります。 元の記事へ
ML-DSA 量子コンピュータでも解くことが難しいとされる格子問題を応用した電子署名アルゴリズム「CRYSTALS- Dilithium」を基に、NISTがFIPS 204として標準化したPQCの電子署名アルゴリズムです。 元の記事へ
第2の暗号アジャイルルート認証局が発行する電子証明書 現行暗号とPQCの両方で署名されたハイブリッドルート証明書です。現行の暗号検証プロセスとの完全な後方互換性を保ちながら、並行してPQCによる証明書チェーンを構築することで、既存システムを止めないシームレスな移行を実現します。 元の記事へ
ML-KEM 量子コンピュータでも解くことが難しいとされる格子問題を応用した鍵交換アルゴリズム「CRYSTALS-Kyber」を基に、NISTがFIPS 203として標準化したPQCの鍵交換アルゴリズムです。 元の記事へ
PQC CARD®
PQCを搭載したICカード。
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2022/10/newsrelease221024_1.html
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本件に関する問合せ先
TOPPANホールディングス株式会社
広報部
Tel: 03-3835-5636
toppan.co.jp国立研究開発法人情報通信研究機構
広報部 報道室
nict.go.jpISARA Corporation
Tel: +1-877-319-8576
isara.com