国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、2025年3月3日(月)から6日(木)にスペイン・バルセロナで開催される世界最大級のモバイル関連技術展示会「MWC Barcelona 2025」に、初めてNICTで独自のブースを出展します。展示ブースでは、Beyond 5G領域を始め最新の研究開発成果を紹介します。地上通信ネットワーク(TN)と非地上系ネットワーク(NTN)の融合による大陸間基地局制御、300 GHz帯テラヘルツ波を使ったドローン間のすれ違い大容量ファイル無線伝送に活用可能な技術や4K映像の非圧縮リアルタイム中継伝送などの展示を行い、2030年以降の人々の暮らしを支えるICT技術を紹介します。是非この機会にNICTブースへご来場ください。
背景
NICTは、2025年4月に最終年度を迎える第5期中長期計画において、Society 5.0の早期実現に向けた次世代ICT基盤に必要不可欠な先端技術として、戦略的に推進すべき研究4領域(Beyond 5G、AI、量子情報通信、サイバーセキュリティ)について積極的に研究開発を進めてきました。その中でも、Beyond 5G領域では、非地上系ネットワーク(NTN)、時空間同期技術、テラヘルツ通信技術の研究開発に加え、国際共同研究プロジェクトや国際標準化活動にも積極的に参加しています。今回、「MWC Barcelona 2025」では、次世代の人々の暮らしを支えるICT技術を世界に紹介します。
研究成果の展示内容

NICTブースのイメージ
●Society 5.0の社会ビジョンの提示
- 利用者の要求に応じて異なる産業のシステムが連携するオーケストレーション機能を紹介します。「フードロス問題の解決」「CO2削減」「被災リスク回避」の3つのテーマを体験できます。
●基盤技術とそのサービスの提示
- 地上通信ネットワーク(TN)とNTNの融合による省エネルギー化と通信品質最適化を目的とした、シンガポール工科デザイン大学(SUTD)との協働による、スペインとシンガポール間の大陸をまたいだ基地局制御を実演します。これによって、TNとNTN経路の動的切替えによるエネルギー効率の向上を実証します。
- 300 GHz帯テラヘルツ波を使ったドローンなどのモビリティ間のすれ違いにおける大容量ファイルの瞬間的無線伝送技術の海外での初実演及び4K映像の非圧縮リアルタイム中継伝送を実演します。
- 次世代通信を支えるテラヘルツ波通信技術や時空間同期技術の活用サービス事例として、高精度に無線で時空間同期した多視点カメラ撮影サービスイメージや超小型60 GHz帯無線デバイスによる動くロボットカーとドローン間のすれ違い大容量データ転送サービスイメージを実演します。
- 上記では、東京大学と共同開発したデジタルツインを用いたフィジカル空間の可視化・制御技術や、アーヘン工科大学(ドイツ)との共同研究による電波伝搬の可視化技術が使われています。
開催概要
開催期間: 2025年3月3日(月)~3月6日(木)
開催場所: Fira Gran Via, Barcelona, Spain
NICT展示場所: 6F68(Hall 6)
MWC Barcelona 2025公式サイト: https://www.mwcbarcelona.com/