最先端のレーザー技術を駆使して、テラヘルツ波の発生・検出メカニズムを明らかにし、電磁波形状制御の基礎技術を開発し、テラヘルツ波の利活用を目指します。
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ー大阪大学大学院基礎工学研究科伊藤研究室との共同研究ー
光伝導アンテナを用いたシームレスなテラヘルツ波検出
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テラヘルツ波形状の検出では、大きく分けて二種類の方法が用いられます。一つは非線形結晶を用いたEO検出法、もう一つは光伝導アンテナ検出法です。
前者のEO検出法の場合、結晶固有のフォノンによる不感帯域が約5̃10THzに存在します。しかし、光伝導アンテナによる検出法は、基板表面で検出法であるため、検出帯域の俯瞰帯域が存在しません。超短パルスレーザー技術を駆使することによって0.1̃100THzに渡るテラヘルツ波の検出が可能なことを示しました。
テラヘルツ波を利用したセンシング技術の確立を目指します。
その2 ファイバーレーザー光源を用いたテラヘルツ波の発生検出システム
-京都大学大学院理学研究科田中研究室,アイシン精機株式会社との共同研究ー
非線形効果を利用したテラヘルツ波の発生と検出条件
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テラヘルツ電磁波センシングシステムの開発にとって、ファイバーレーザーのように安定な光源を導入することは、センシングシステムの高性能化に有効です。この研究では、CdTe結晶をモデル物質としてコヒーレント長等を考慮することによって約1.05μmの波長の励起光源を用いたテラヘルツ波センシングシステムの検出帯域を予測し、実験的に示しました。
半導体評価技術を駆使して、より高効率な発生・検出系の開発を進めます。
その3 多重量子井戸構造中のLOフォノンからの強力なテラヘルツ波放出
ー大阪市立大学大学院工学研究科中山研究室との共同研究ー
ナノ技術を駆使した光源開発
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テラヘルツ波の単色性の良い光源はセンシングのための光源として期待されています。本研究では、半導体多重量子井戸構造を用いることによってフェムト秒パルス光で励起時の光学フォノンからのテラヘルツ波の放射をバルク結晶の百倍の強度で発生することを見いだしました。
量子構造の設計・制作技術を駆使して、高強度発生機構の解明を目指します。