国立研究開発法人情報通信研究機構
2016年7月13日
ポイント
- ブラジルポルトガル語の音声翻訳が可能な“VoiceTra”の新バージョンを公開
- 2020年東京大会開催を見据え、今夏、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック「Tokyo 2020 JAPAN HOUSE」で活用
- ブラジルへの旅行者支援ツール、在日ブラジル人とのコミュニケーション手段として期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 坂内 正夫)先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)では、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック開催を契機として、無料公開中*1の多言語音声翻訳アプリ “VoiceTra”(ボイストラ)*2にブラジルポルトガル語の音声合成と音声認識機能を追加しました。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた実証実験の一環として、また、2020年までに訪日外国人が言葉の壁で困らない社会を実現するために、“VoiceTra”の活用促進を目指します。
背景
NICTでは、多言語音声翻訳技術の研究開発成果として、多言語音声翻訳アプリ“VoiceTra”を無償公開し、2020年までに訪日外国人が言葉の壁で困らない社会の実現に向けた社会実証を進めています。
今夏、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの開催期間中に設置される「Tokyo 2020 JAPAN HOUSE」(https://tokyo2020.jp/jp/special/rio-to-tokyo/#link04)において、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた実証実験の一環として、現地の言語でも対応可能な“VoiceTra”を実際のコミュニケーションに利用します。
今回の成果
これまでテキストのみ対応可能だった“VoiceTra”のブラジルポルトガル語翻訳に、今回のバージョンアップで、音声合成と音声認識機能を追加しました。
これにより、ブラジルへの旅行者支援ツールとして利用できます。また、日本で暮らすブラジル人とのコミュニケーション手段としても、“VoiceTra”の活用が期待されます。
今回のバージョンアップのポイント:
- ブラジルポルトガル語音声合成と音声認識機能を追加
(200時間の音声コーパスを利用し、認識モデルを構築) - ブラジルポルトガル語の翻訳精度の向上
(約40万文のブラジルポルトガル語対応コーパスを追加)
今後の展望
NICTでは、「グローバルコミュニケーション計画」*3の実現に向けて、“VoiceTra”の対応分野を医療、観光、ショッピングなどに拡張し、更なる精度向上のために研究開発と社会実装を推進していきます。
*1 ご利用にあたってはデータ通信料金がかかります。海外でのご利用は通信料金が高額になることがありますので、無線LAN(Wi-Fi)でのご利用をお勧めします。
*2 VoiceTraは、NICTの登録商標です。VoiceTraサポートページ:http://voicetra.nict.go.jp/
本件に関する問い合わせ先
先進的音声翻訳研究開発推進センター
VoiceTraサポートチーム
Tel:0774-98-6810
E-mail: