国立研究開発法人 情報通信研究機構
2015年6月26日
NICT(理事長:坂内 正夫)は、30MHz以下の電波の利用促進の一助として、磁界用ループアンテナの校正サービスについて、国際規格ISO/IEC 17025および国際相互承認ILAC-MRAに準拠したASNITE(製品評価技術基盤機構認定制度)認定を取得し、2015年7月1日(水)から校正サービスを開始いたします。
背景
近年、周波数30MHz以下の電波について、IH調理器や無線給電装置等、従来の通信・放送利用以外への多目的利用が検討されています。これらの装置が円滑に利用されるためには、装置の周辺に生じる電磁雑音が、既存の通信・放送等への妨害を与えないことを示すために、高周波利用設備としての許可を受けたり、世界各国のEMC規制で定められた許容値以下であることを試験したりする必要があり、ループアンテナを使ってデータを取得する必要があります。
校正サービスの特長
この度、ループアンテナの校正について、従来と異なる新しい校正方法(後述)を開発し、その方法を用いた校正サービスについて、国際規格ISO/IEC 17025および国際相互承認ILAC-MRAに準拠したASNITE認定を取得しました。これにより、高周波利用設備の許可を得る場合だけでなく、世界各国のEMC規制に対する測定データの取得にも、同じ校正証明書を有するループアンテナを使うことができるようになり、必要なデータを一度に測定することができる、いわゆる、ワン・ストップ・テスティング(One-Stop-Testing)を可能にしました。各種製品を世界市場に送り出すために必要な、世界中で受け入れられるデータ取得作業の効率向上を実現します。
校正サービスの概要
対象装置:磁界用ループアンテナ(直径10cm~60cm)
対象周波数:9kHz~30MHz
提供対象者:指定較正機関、登録点検等事業者、登録証明機関、EMC試験機関、企業
受付開始日:平成27年7月1日(水)
申請方法:以下のWebサイトをご覧ください。
対象周波数:9kHz~30MHz
提供対象者:指定較正機関、登録点検等事業者、登録証明機関、EMC試験機関、企業
受付開始日:平成27年7月1日(水)
申請方法:以下のWebサイトをご覧ください。
新たに開発した校正法について
校正サービスを行うには、校正結果が正しいことを示すために、上位校正機関とのトレーサビリティ(国家計量標準までさかのぼれること)が重要となります。今回開発した校正法は、磁界アンテナ係数が既知の仲介用ループアンテナを送信アンテナとして使用する校正法であり、従来の方法よりも精度良く簡単にトレーサビリティを確保することができます。
参考
校正事業者等が自ら校正を行うために使用する仲介用ループアンテナ(標準ループアンテナ)は、以下の2社から入手することが可能です。(これらのループアンテナには当機構のノウハウが用いられています)。
林栄精器株式会社 標準ループアンテナWebページ
協立テクノロジー株式会社
本件に関する問い合わせ先
電磁波計測研究所 電磁環境研究室
藤井 勝巳
Tel:042-327-7042
E-mail: