独立行政法人 情報通信研究機構
2015年2月13日
日本時間2月12日(木)午前8時3分に米国フロリダ州ケープカナベラルからSpaceX社のFalcon9ロケットにより世界初の実用宇宙天気観測衛星DSCOVR(Deep Space Climate Observatory)が打ち上げられました。DSCOVRは、今後、約110日間かけて太陽と地球の重力が釣り合うラグランジュ点(L1)まで移動し、そこで太陽風の観測を行ってリアルタイムでデータを送信します。DSCOVRは、これまでL1点で太陽風の観測を行ってきたNASAの科学衛星ACE(Advanced Composition Explorer、1997年打ち上げ。)の後継機となります。
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ACEおよびDSCOVRによるL1点での太陽風の観測と、地球のリアルタイム太陽風データ受信網
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NICT本部(東京都小金井市)に設置されている直径11.3メートルの太陽風データ受信アンテナ
NICTは、本部(東京都小金井市)に設置した直径11.3メートルのアンテナでデータ受信を行い、ACE及びDSCOVRからのデータを常時受信するための地上受信局の役割を担っています。L1点での太陽風のデータを用いることにより地球へ到来する太陽風の乱れを、地球に到達する数十分から1時間程度前に正確に予測することができます。その予測結果は、衛星を使った測位、短波電波を使った通信、電力網などへの宇宙天気の影響を事前に予測し、対策を立てるために利用されます。
NICTでは、これらのデータを独自のモデルの入力として用いるなどして、一層精度の高い宇宙天気予報を提供して行きます。
本件に関する問い合わせ先
電磁波計測研究所
宇宙環境インフォマティクス研究室
宇宙環境インフォマティクス研究室
Tel:042-327-7540