NICTとJAXAが共同で開発した二周波降水レーダ(DPR:Dual-frequency Precipitation Radar)を搭載したGPM主衛星が、2014年2月28日午前3時37分にH-IIAロケットにより種子島宇宙センターより打ち上げられました。
GPM主衛星に搭載されているDPRは、世界の降水分布を正確に把握することを目的とする全球降水観測計画(GPM:Global Precipitation Measurement)において、中心的な役割を担う観測機器です。DPRは、弱い雨や雪の検出が可能なKa帯(35.5GHz)レーダと、強い雨の観測も可能なKu帯(13.6GHz)レーダを組み合わせたレーダです。この2つのレーダによる同時観測により、雨雲の中の降水の3次元分布の把握や、今までにない高精度の降水強度推定が可能となります。天気予報の精度向上や河川管理、洪水の予警報といった国民生活の向上に役立つだけでなく、全世界的な気候変動の解明にも役立つことが期待されます。
NICTでは、初期チェックアウトが終了し、DPRからの観測データが得られ次第、観測データの校正や検証を行い、さらに降水量推定アルゴリズムの改良等を進めることで、DPRの観測データを用いた高精度な降水分布情報の提供に貢献します。