NICT ワイヤレスネットワーク研究所 ディペンダブルワイヤレス研究室では、ボディエリアネットワーク(Body Area Network、以下「BAN」)の研究開発を行っています。BANは、体の表面、中及びその極近辺に配置する小型端末を無線通信で結ぶもので、各種生体センサと組み合わせて用いれば、リアルタイムで生体情報を収集できるため、高齢化社会・高度な福祉社会を支えるための日常健康モニタやヘルスケア、介護施設などでの利活用が期待されています。
このBANの無線標準規格については、2008年から、NICTをはじめ世界中の30以上の研究機関や企業等が共同で作業を進めてきました。この活動が実り、本年2012年2月、標準規格IEEE Std 802.15.6が策定されるに至りました。
【無線標準規格の策定に携わった主な研究機関・企業】
・日本: | NICT、富士通 |
・アメリカ: | Texas Instrument、GE Healthcare |
・欧州: | France Telecom、Toumaz Technologies |
・韓国: | Samsung、ETRI |
・オーストラリア: | NICTA |
また、同標準規格の策定において、仕様作成や作業部会の運営及び編集作業などにおいて大きく貢献したとして、NICTの研究者がIEEE-SA Standards Boardから表彰され、楯と賞状が授与されました。
今後も、NICTでは、標準規格IEEE Std 802.15.6の下に、BANの研究開発を推進していきます。